Archive by category 下級裁判所(行政事件)

【行政事件/和歌山地裁/平29・10・27/平29(行ウ)2】

事案の概要(by Bot):
本件は,御坊市の設置する「御坊市立給食センター」(以下「本件センター」という。)において,御坊市から委託を受けて食品衛生法52条1項の飲食店営業の許可(以下「本件許可」という。)に基づき給食用副食の調理等の業務(以下「本件業務」という。)を行う原告が,処分行政庁から,同法6条違反を理由とする同法55条1項の営業停止処分(平成29年1月28日から同年2月10日までの14日間。以下「本件処分」という。)を受けたことにつき,本件処分は違法であると主張して,被告を相手として,本件処分の取消しを求めた事案である。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/682/087682_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87682

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【行政事件:退去強制令書発付処分等取消請求事件/東京 裁/平29・8・25/平28(行ウ)354】分野:行政

判示事項(by裁判所):
日本人男性と婚姻関係にあるインドネシア共和国国籍の女性について,出入国管理及び難民認定法50条1項に基づき在留特別許可をしないで同法49条1項の異議の申出には理由がないとした地方入国管理局長の裁決が取り消された事例

要旨(by裁判所):インドネシア共和国国籍の女性が,1回目の不法残留後に日本人男性と婚姻し,在留特別許可を受けて「日本人の配偶者等」の在留資格で本邦に在留していたが,離婚後,再度不法残留の状態となった後に別の日本人男性との再婚を届け出て不法滞在者であることを申告するため自ら入国管理当局に出頭したところ,不法残留の退去強制事由を認定され,口頭審理を経て,出入国管理及び難民認定法50条1項に基づく在留特別許可をしないで同法49条1項の異議の申出には理由がない旨の地方入国管理局長の裁決を受けた事案について,以下の(1)及び(2)などの事情の下では,同裁決に際して同女性の在留を特別に許可しないとした判断は,事実に対する評価が明白に合理性を欠くことにより社会通念上著しく妥当性を欠くものであったことが明らかで,同裁決には裁量権の範囲をこえ又はその濫用がある違法があったとして,これが取り消された事例
(1)同女性は,前夫との離婚後,その在留期限の経過前に現在の夫と結婚の方向で話を進めていたが,在留期限前に再婚を届け出るには平成28年法律第71号による改正前の日本民法733条1項による離婚後6箇月の待婚期間が障碍となっていたところ,そのうち当時既に違憲となっていた100日を超えて再婚禁止期間を設ける規定部分がなければ,同女性の在留期間内に再婚を届け出ることが可能な法状態にあって,同女性が不法残留の状態となったことの責任をその個人的な都合のみに帰することは相当ではなく,その不法残留は,自ら出頭申告したという斟酌すべき事情を減殺して余りあるほどの重要な消極要素と評価されるべき悪質性に欠ける。
(2)同女性の現在の夫との婚姻関係は,関係が醸成される過程もごく自然で再婚届出前の期間にも真摯に交際を発展させていったことが認められ,両名の家族ともすべからくその関係を祝福していたとうかがわれることや,強い精神的なつながりが認められることなど,届出から裁決通知まで1年4か月余りの期間にとどまり,いまだその間に子がなかったとしても,同裁決時において既に真摯で安定かつ成熟した婚姻関係であると評価すべき素地が十分にあったと認められ,暴力行為を背景に長くない期間で破綻した同女性の過去の婚姻関係とは質的に大きな相違があって,その過去の婚姻歴等から現在の夫との婚姻関係の安定・成熟性を推し量ることには慎重であるべき事情があったと解されるのに,同裁決に際してこの点が慎重に考慮された形跡がないとすれば,基礎事情の評価として合理的であるとはいえない。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/623/087623_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
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【行政事件:公金支出差止及び返還請求控訴事件/東京高 /平28・7・12/平28(行コ)71】分野:行政

判示事項(by裁判所):
普通地方公共団体が道路法33条1項に基づく道路占用許可処分を前提として高速道路の高架下に公共施設を建設する事業に関し公金の支出をしたことが,違法でないとされた事例

要旨(by裁判所):練馬区が,独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が道路法33条1項に基づいてした道路占用許可処分を前提とし,関越自動車道の高架下に高齢者センター等の施設を建設する事業に関する公金の支出をしたことは,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,財務会計法規に違反して違法とは認められない。
(1)上記処分が,道路法33条1項の処分要件及びその許否に係る裁量基準を満たすと解することは,必ずしも不合理とまではいえない。
(2)関越自動車道の経年劣化によりコンクリート片が落下して周辺住民の生命,身体が侵害される危険性があるといえず,また,首都直下地震による高架道路の損傷等のおそれについては,他の高架道路と同様の一般的な危険性があるにとどまり,社会通念上,受忍限度を超え,周辺住民の人格権を侵害する違法なものとまではいえない。
(3)上記事業は,環境影響評価法12条1項又は東京都環境影響評価条例58条1項により義務付けられる環境影響評価の対象ではなく,また,周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りない。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/622/087622_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
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【行政事件:法人税更正処分等取消請求事件/東京地裁/平2 9・10・13/平27(行ウ)730】分野:行政

判示事項(by裁判所):
いわゆる平均功績倍率法を用いて役員退職給与の相当額を算定する場合における法人税法施行令70条2号にいう「その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額」の範囲

要旨(by裁判所):平均功績倍率(同業類似法人の役員退職給与の支給事例における当該役員退職給与の額をその退職役員の最終月額報酬額に勤続年数を乗じた額で除して得た倍率である功績倍率の平均値)に,当該退職役員の最終月額報酬額及び勤続年数を乗じる方法(いわゆる平均功績倍率法)を用いて役員退職給与の相当額を算定する場合において,少なくとも課税庁側の調査による平均功績倍率の数にその半数を加えた数を超えない数の功績倍率により算定された役員退職給与の額は,当該法人における当該役員の具体的な功績等に照らしその額が明らかに過大であると解すべき特段の事情がある場合でない限り,法人税法施行令70条2号にいう「その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額」を超えるものではない。

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【行政事件:一時金申請却下処分取消請求事件/大阪地裁/ 29・9・27/平27(行ウ)311】分野:行政

判示事項(by裁判所):
中国の地域における昭和20年8月9日以後の混乱等の状況の下で本邦に引き揚げることなく同年9月2日以前から引き続き中国の地域に居住している者であって同日において日本国民として本邦に本籍を有していたもの(以下「本邦本籍者」という。)と本邦本籍者ではない者との間に同月3日以後中国の地域で出生し,引き続き中国の地域に居住している者が,中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(以下「支援法」という。)2条1号の「中国残留邦人等」に該当するか。

要旨(by裁判所):本邦本籍者と本邦本籍者でない者との間に昭和20年9月3日以後中国の地域で出生し,引き続き中国の地域に居住している者は,支援法2条1号の委任を受けた同法施行規則1条3号により同法2条の「中国残留邦人等」に該当するとはいえない。

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【行政事件:扶助料請求申請棄却処分取消請求事件/大阪 裁/平29・9・29/平27(行ウ)126】分野:行政

判示事項(by裁判所):
(1)恩給法75条1項2号にいう「公務ニ因ル傷痍疾病ノ為死亡シタルトキ」の意義
(2)公務に起因する傷病と死亡との間の相当因果関係が認められず,恩給法75条1項2号にいう「公務ニ因ル傷痍疾病ノ為死亡シタルトキ」に該当しないとされた事例

要旨(by裁判所):(1)恩給法75条1項2号にいう「公務ニ因ル傷痍疾病ノ為死亡シタルトキ」に該当するには,公務と傷病との間及び傷病と死亡との間のいずれについても相当因果関係が存在することが必要であり,死亡に至る原因が複数競合している場合には,公務に起因する傷病が単に公務員の死亡の一要因となっているだけでは,当該公務に起因する傷病と死亡との間の相当因果関係を認めることはできず,当該相当因果関係が認められるためには,当該傷病が,当該公務員の死亡の発生に対して,当該傷病以外のその他の要因に比して相対的に有力な原因になっているという関係が必要である。
(2)旧軍人が,昭和21年に公務に起因して右第2〜第5趾切断の傷害を負い,平成18年(当時87歳)に右足部難治性潰瘍を発症してその治療を受け,平成19年以降に肺炎による入退院を繰り返し,平成23年(当時92歳)に肺炎を死因として死亡したという経過において,前記の潰瘍の発症に対しては,閉塞性動脈硬化症が前記の傷害に比して相対的に有力な原因と認められるから,前記の傷害と前記の潰瘍との間に相当因果関係は認められず,仮に当該相当因果関係が認められるとしても,前記の傷害ないし前記の潰瘍が,当該潰瘍の治療の後に生じた廃用症候群,前記の肺炎,前記の死亡の発生に対して,その他の要因に比して相対的に有力な原因になっていると認められないから,前記〜の各間の相当因果関係,すなわち公務に起因する傷病と死亡との間の相当因果関係があるとは認められず,恩給法75条1項2号にいう「公務ニ因ル傷痍疾病ノ為死亡シタルトキ」に該当しない。

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【行政事件:公文書部分公開決定処分取消請求事件/東京 裁/平29・9・1/平29(行ウ)94】分野:行政

判示事項(by裁判所):
東京都板橋区情報公開条例に基づく区を被告とする訴訟事件の判決書の正本の部分公開決定が,同条例10条4項の定める理由提示の要件を欠き,違法であるとされた事例

要旨(by裁判所):東京都板橋区情報公開条例に基づく区を被告とする訴訟事件の判決書の正本の部分公開決定の通知書において,公開できない部分の概要として「住所,氏名,事件番号,処分名,処分内容」,公開できない理由として「板橋区情報公開条例第6条第1項2,6号該当」,「(理由)個人情報,行政運営情報」とそれぞれ記載されているのみで,多数の箇所に及ぶ非公開部分のほとんどについて「住所,氏名,事件番号,処分名,処分内容」のいずれに該当するのか判然としない上,各非公開部分と公開できない理由との対応関係が示されていないなどの判示の事情の下では,公開請求者において,各非公開部分がいかなる根拠により同条例6条1項2号所定の非公開事由に該当し,また同項6号所定の複数の非公開事由のどれに該当するとして非公開決定がされたのかを知ることができず,上記部分公開決定は,同条例10条4項の定める理由提示の要件を欠き,違法である。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/558/087558_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87558

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【行政事件:文書不開示処分取消等請求事件/大阪地裁/平2 9・9・21/平25(行ウ)129】分野:行政

判示事項(by裁判所):
1処分行政庁が情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する一部不開示決定(本件旧決定)を取り消して,改めて一部不開示決定(本件新決定)をした場合における本件旧決定の不開示部分取消訴訟の訴えの利益の有無
2大阪労働局需給調整指導官作成に係る事業所への指導監督記録及び同事業所作成に係る是正報告書等に記載された情報の情報公開法5条1号,2号イ及び6号イ所定の不開示情報該当性の有無

要旨(by裁判所):原告が,大阪労働局長に対して,情報公開法に基づき,大阪労働局需給調整指導官による事業所への指導監督記録及び事業所による是正報告書等の開示を求めたところ,大阪労働局長が対象文書には同法5条1号,2号イ及び6号イ所定の不開示情報が記載されているとして一部不開示決定(本件旧決定)をし,その後,本件旧決定を取り消す(本件取消決定)とともに,本件開示請求につき改めて一部開示決定(本件新決定)をしたことから,原告が,本件旧決定及び本件新決定の不開示部分の取消し,開示決定の義務付け及び国家賠償を求めた事案について,本件旧決定は,本件取消決定により遡及的に効力を失っているから取消しの訴えの利益を欠き,本件新決定は適法であるとして,本件旧決定の取消し及び義務付けの訴えを却下し,本件新決定の取消し及び国家賠償請求を棄却した事例

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/543/087543_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
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【行政事件:個人情報一部非開示決定処分取消請求事件/ 京地裁/平29・5・19/平28(行ウ)241】分野:行政

判示事項(by裁判所):
緊急措置入院患者本人から東京都個人情報の保護に関する条例(平成27年東京都条例第140号による改正前のもの)に基づいてされた緊急措置入院に係る診療記録の開示請求について,診療記録中「現病歴」欄の記載は同条例16条6号の非開示情報に該当しないとして,不開示決定の一部を取り消した事例

要旨(by裁判所):東京都知事が緊急措置入院をさせた患者本人から東京都個人情報の保護に関する条例(平成27年東京都条例第140号による改正前のもの)に基づいてされた緊急措置入院に係る診療記録の開示請求について,実施機関は,措置入院制度の性質上,開示することにより,診断及び治療に関する業務の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため,同条例16条6号の非開示情報に該当するとして「現病歴」欄の記載を開示しないとしたが,(1)情報源となった第三者(本人の両親及び警察官)との信頼関係が損なわれるおそれがあるとする点については,同条7号本文の要件も参照すべきところ,本人の両親が本人に開示することを了解する旨の同意書を提出しているなどの事情の下で,これを開示することによりその信頼を不当に損なうことになるとは認められず,警察官から提供された情報の部分も情報を提供した警察官も特定することが困難であるという事情の下で,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律23条による通報義務を負う警察官との信頼関係も直ちに損なわれるとは認められず,(2)医師が患者本人の感情や反応を考慮する結果,診療記録の記載内容が形骸化するおそれがあるとする点については,患者の現病歴は,同法の委任を受けた厚生労働大臣の定める基準において,精神保健指定医が患者の緊急措置入院を認めるに当たり考慮するものとする事項とされていて,緊急措置入院が適法であったことを証する上で記録化することを避けられない事項であると考えられるから,その記載内容が形骸化する具体的なおそれがあるということはできないとして,その不開示決定部分を取り消した事例

(PDF)
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【行政事件:東京都市計画△西地区第一種市街地再開発事 業に係る損失補償事件/東京地裁/平29・5・30/平26(行ウ)627】分野 :行政

判示事項(by裁判所):
1第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,上記賃貸借契約と上記定期建物賃貸借契約との明渡期限までの家賃の差額が,都市再開発法97条1項にいう「通常受ける損失」に当たらないとされた事例
2第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,明渡期限後の家賃の減収分の補償額につき,同事業における補償基準等によるのではなく,同補償基準等に定められた空室補償に相当する金額によるとされた事例

要旨(by裁判所):1第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,上記賃貸借契約の解約通知がされた日及び上記賃貸借契約が終了した日は,それぞれ明渡期限の約2年6か月前及び約2年前のことであり,賃借人において上記賃貸借契約を解約した主たる理由が,不確定な事業スケジュールに煩わされることなく,本社機能の移転を確実に実施するという一種の経営判断にあったことなどから,上記賃貸借契約の解約が上記事業の明渡しによるものということはできないとして,上記賃貸借契約と上記定期建物賃貸借契約との明渡期限までの家賃の差額が,都市再開発法97条1項にいう「通常受ける損失」に当たらないとされた事例
2第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,明渡期限後の家賃の減収分の補償額につき,同事業における補償基準等に定められた「従前の建物の家賃」を基準とする補償額よりも,上記補償基準等における空室補償による場合の補償額の方が高く,上記空室補償に係る規定が上記定期建物賃貸借契約を締結した後に定められたものであり,原告において,定期建物賃貸借契約を締結するか,空室補償を得るべきかの適切な選択が必ずしもできない状態にあったなどの事情の下では,上記補償基準等をそのまま適用することは合理的とはいい難く,上記空室補償に相当する金額によるとされた事例

(PDF)
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http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87535

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【行政事件:旅券返納命令及び渡航先制限取消請求事件/ 京地裁/平29・4・19/平27(行ウ)462】分野:行政

判示事項(by裁判所):
1トルコとの国境付近からシリアに渡航することを計画していたジャーナリストに対する旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえないとされた事例
2旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令につき,行政手続法13条2項1号所定の聴聞を要しない場合に該当するとされた事例
3旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令により旅券を返納した者の新たな旅券の発給申請に対する一般旅券の発給処分において同法5条2項に基づく渡航先の制限をしたことに裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえないとされた事例

要旨(by裁判所):1トルコとの国境付近からシリアに渡航することを計画していたジャーナリストに対し外務大臣がした旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令は,当時のシリアの情勢が,紛争状態を呈し,各勢力による衝突,襲撃や拉致等が発生して多数の死傷者が出ており,外務省から退避勧告の危険情報が発出され,過激派勢力が2名の邦人を殺害したとする映像を公開して今後も邦人の殺害を継続する旨を表明するなどの状況にあったこと,上記ジャーナリストが,シリアへの渡航計画について一般の新聞による取材及び報道を受け,その実名及び顔写真と共に渡航の時期や経路がインターネット等のメディアを通じて配信され,拡散するおそれがある状況に陥っていたこと,上記ジャーナリストが,外務省からの渡航中止の要請にもかかわらずシリアへの渡航の意思を維持していたことなど判示の事情の下では,上記ジャーナリストの生命・身体を保護するためにシリアへの渡航を中止させる必要があり,かつ,そのためには旅券を返納させる必要があるとした同大臣の判断において,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえない。
2前項の一般旅券の返納命令につき,外務大臣において,聴聞の通知により旅券の返納命令が予定されていることを知った対象者が予定を繰り上げて出国することを聴聞の実施まで確実に阻止する手段がなく,また,対象者が自己の所在を隠した場合には返納命令を官報に掲載した上で旅券の効力を失わせることが考えられるものの,出国予定日までの残された期間に鑑みるとこのような方法によっても対象者の渡航を中止させることは困難であったなど判示の事情の下では,国民の生命・身体の保護という旅券法19条1項4号が目的とする公益を図る上で,緊急に不利益処分としての旅券の返納命令をする必要があるため,聴聞の手続を執ることができないとき(行政手続法13条2項1号)に該当する。
3第1項の一般旅券の返納命令により旅券を返納した対象者の新たな旅券の発給申請に対する一般旅券の発給処分において,外務大臣が旅券法5条2項に基づき渡航先をイラク及びシリアを除く全ての国と地域に制限したことは,シリアの情勢が上記申請がされた時点においても安定化していたとはいえないこと,外務省はイラクについても退避勧告の危険情報を発出していたこと,対象者自身が上記申請に当たり,今後半年又は1年くらい様子をみるため渡航はしないつもりである旨を記載した書面を提出し,イラク及びシリアに渡航する意向及び必要性等を具体的に示していなかったこと,対象者としては渡航先の制限を受けた後も同法9条に基づき渡航先の追加を図る余地がないものではないことなど判示の事情の下では,同大臣の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/534/087534_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
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【行政事件:執行停止の申立て事件/大阪地裁/平28・12・26/ 平28(行ク)436】分野:行政

判示事項(by裁判所):
精神保健指定医に対する指定取消処分の執行停止の申立てにつき,行政事件訴訟法25条2項所定の「重大な損害を避けるため緊急の必要」があると認められた事例

要旨(by裁判所):精神保健指定医に対する指定取消処分(本件処分)による申立人の精神科医師としての社会的信用の低下,患者やその家族との信頼関係の毀損,申立人が経営する医療法人への経済的打撃等の損害は,いずれも回復が容易ではなく,その程度も大きいといえることに加え,指定医制度の趣旨等に照らしても,申立人を個々の患者との関係で指定医から排除する必要性が高いとはいえず,かえって,本件処分により地域の精神科医療に相当の支障が生じるなど公益に反する事態となるおそれがあることなどを考慮すると,本件処分により申立人が被る損害は,社会通念上,行政目的の達成を一時的に犠牲にしてもなお救済しなければならない程度に重大なものであると認めるのが相当であり,したがって,本件においては,本件処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるというべきである。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/532/087532_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87532

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【行政事件:江戸川スーパー堤防事業仮換地処分取消請求 控訴事件/東京高裁/平28・12・20/平28(行コ)190】分野:行政

判示事項(by裁判所):
1土地区画整理事業の施行者が,事業計画の決定後に,高規格堤防の整備事業と共同して実施する旨の協定を河川管理者との間で締結した場合において,上記事業計画の定める設計の概要を変更する手続を経ずにされた仮換地の指定が違法なものとはいえないとされた事例
2高規格堤防の整備事業と共同して実施することとされた土地区画整理事業における仮換地の指定が,行政権を濫用した違法なものとはいえないとされた事例
3仮換地の指定の時点において,同指定に係る土地上に使用借権を有し,同土地上の建物の敷地として使用していた者について,仮換地指定の取消しを求める法律上の利益が認められた事例

要旨(by裁判所):1土地区画整理事業の施行者が,事業計画の決定後に,高規格堤防の整備事業と共同して実施する旨の協定を河川管理者との間で締結した場合において,上記事業計画の定める設計の概要を変更する手続を経ずにされた仮換地の指定は,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,違法なものとはいえない。
(1)上記仮換地の指定が土地区画整理事業に係る工事のため必要があるとしてされたものであった。
(2)上記協定の締結によっても,土地区画整理事業における盛土造成工事のため必要があるという要件に欠けるところがない。
(3)上記協定の締結により,仮換地の具体的内容(位置や地積)を変更する必要が生じていない。
2高規格堤防の整備事業と共同して実施することとされた土地区画整理事業における仮換地の指定は,高規格堤防の完成後に施行地区内の宅地が高規格堤防特別区域に指定されて河川法上の制約を受けるという,土地区画整理事業自体がもたらす本来的な権利の変動を超える権利の制約を可能にするものであるとしても,次の(1)〜(5)など判示の事情の下では,行政権を濫用した違法なものとはいえない。
(1)上記高規格堤防の整備事業を実施する河川管理者が,土地区画整理法100条の2に基づく管理として,土地区画整理事業の施行者との関係において,上記共同実施に係る工事を行う権原を有していた。
(2)一般に,公共施設(河川)である堤防の整備を土地区画整理事業として行うことは不可能ではない。
(3)上記土地区画整理事業が,都市計画法13条1項柱書により,上記高規格堤防の整備を行うことを定めた河川整備計画に適合するように行われるべきものであった。
(4)上記土地区画整理事業の施行地区について市街地としての改善の必要性が認められ,上記仮換地の指定の前提となる事業計画自体には瑕疵がなかった。
(5)高規格堤防特別区域内の土地に対する権利の制約の程度が一般の河川区域内の土地に比べて低いなど,上記河川法上の制約が必ずしも重大なものとはいえない。
3仮換地の指定の時点において,同指定に係る土地上に使用借権を有し,同土地上の建物の敷地として使用していた者は,土地区画整理法99条1項により,同土地に係る仮換地指定によってその使用ができないこととなるから,上記仮換地の指定の取消しを求める法律上の利益を有するものといえ,このことは,同土地上の建物が除却済みであっても変わりはない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/531/087531_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87531

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【行政事件:違法建築物除却命令義務付け請求控訴事件/ 京高裁/平28・12・15/平28(行コ)98】分野:行政

判示事項(by裁判所):
10棟の建物から構成される共同住宅が建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たるものとは認められないとされた事例

要旨(by裁判所):10棟の建物から構成される共同住宅(各棟とも鉄筋コンクリート造地上6階,地下2階)について次の(1)〜(3)など判示の事情が認められるときは,社会通念上,一体性があるとはいえず,建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たらない。
(1)各棟ごとに屋根,柱,壁等を有しており,各棟を接続する通路は地下1階よりも上階に存在せず,地表部分のうち地上2階以上は各棟の間に約2.5mの離隔があることからすれば,外観上,それぞれ別個の建築物といえること
(2)物理的に応力を伝える連結方法がされているのは地下2階のみであり,地下1階以上の接合部においては相互に応力を伝えない構造方法であるエキスパンションジョイントを用いられていることからすれば,構造上の独立性を有すること
(3)居住者は,平常時の利用方法において,一部の棟に存在するエントランス部分や利便施設を共用するが,各棟の住居部分には独立した専用設備が設けられ,居住者が相互に共用するという要素に乏しく,避難経路に関して個別性が確保されており,機能上の一体性の程度は高いものではないこと

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/530/087530_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87530

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【行政事件:代理援助不開始決定取消請求事件/東京地裁/ 29・9・8/平29(行ウ)365】分野:行政

判示事項(by裁判所):
日本司法支援センターの機関が行う代理援助の開始又は不開始の決定と抗告訴訟の対象

要旨(by裁判所):日本司法支援センターの機関が行う代理援助の開始又は不開始の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/504/087504_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87504

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【行政事件:α区議会幹事長会出席権及び発言権確認等請 事件等/東京地裁/平29・8・10/平27(行ウ)236等】分野:行政

判示事項(by裁判所):
特別区の議会の会派無所属議員が区議会幹事長会及び区議会各派代表者会に出席し,発言する権利を有することの確認を求める訴え並びに区議会幹事長会運営規程及び区議会各派代表者会運営規程に違法があることの確認を求める訴えが裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」に当たらないとされた事例

要旨(by裁判所):区議会幹事長会は,地方自治法100条12項に基づき,各会派間の連絡調整並びに議員全体に関する事項及び議長が必要とする事項について協議するために設けられる会議体であり,区議会各派代表者会は,同項に基づき,一般選挙後,区議会幹事長会の構成員が決定するまでの間,議会の構成等について協議するために設けられる会議体であって,上記各会は議会の運営に関し調整を行うにとどまるものであるところ,区議会会議規則等により会派無所属議員が上記各会の構成員であり,上記各会に出席することができるものとされていることは明らかであること,上記各会の議事の運営方法については,上記各会の主宰者の合理的な裁量に委ねられているというべきであること,当該会派無所属議員が上記各会に出席し発言したことがあることを自認していること等の判示の事情の下においては,特別区の議会の会派無所属議員が上記各会に出席し,発言する権利を有することの確認を求める訴え並びに区議会幹事長会運営規程及び区議会各派代表者会運営規程に違法があることの確認を求める訴えは,裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」には当たらない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/478/087478_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87478

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【行政事件:処分取消請求事件/東京地裁/平29・4・21/平27( ウ)315】分野:行政

判示事項(by裁判所):
1金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の取消訴訟と当該外務員の原告適格
2上場会社等による公募増資の実施の公表が特定の日らしいとの趣旨の当該公表前の推測情報の,金融商品取引業等に関する内閣府令1条4項14号所定の法人関係情報該当性
3金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号にいう顧客に対する勧誘行為があったといえるための要件
4金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の取消訴訟を当該外務員が提起した場合における,当該処分が行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠いた違法の行政事件訴訟法10条1項にいう「自己の法律上の利益に関係のない違法」該当性
5金融商品取引法64条の5第1項2号に基づき,金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号所定の行為があったとしてされた外務員の登録を取り消す旨の処分が,行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法であるとされた事例

要旨(by裁判所):1金融商品取引業者等との間で労働契約を締結し,外務員の登録を受けて当該金融商品取引業者等の外務員の職務に従事していた者は,自己についてされた当該金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の法的効果による労働契約上の権利の制限を受ける者として,当該処分の取消訴訟における原告適格を有する。
2金融商品取引法163条1項に規定する上場会社等による公募増資の実施の公表が特定の日らしいとの趣旨の当該公表前の推測情報は,これにその推測過程に照らして相当程度の確度ないし信憑性が備わっているものと認めることができる場合には,当該上場会社等の運営,業務又は財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断に影響を及ぼすと認められるものとして,金融商品取引業等に関する内閣府令1条4項14号所定の法人関係情報に該当する。
3金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号にいう顧客に対する勧誘行為があったといえるためには,単に法人関係情報を提供する行為があっただけでは足りず,法人関係情報を提供した相手方との人的関係や法人関係情報を提供した際の言動等に照らし,当該相手方に対して同号に定める取引等を当該金融商品取引業者等の顧客として行うことを勧誘する行為が少なくとも黙示的に行われたことを要する。
4金融商品取引業者等との間で労働契約を締結し,外務員の登録を受けて当該金融商品取引業者等の外務員の職務に従事していた者が自己についてされた当該金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の取消訴訟を提起した場合において,当該処分が行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠いた違法は,当該外務員にとって行政事件訴訟法10条1項にいう「自己の法律上の利益に関係のない違法」であるとはいえない。
5金融商品取引法64条の5第1項2号に基づき,金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号所定の行為があったとしてされた外務員の登録を取り消す旨の処分は,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法である。
(1)当該処分の通知書において,処分の理由として,当該外務員が,特定の年月に,有価証券の売買その他の取引について,顧客に対して当該有価証券の発行者の法人関係情報を提供して勧誘を行ったことが,法令に違反する行為と認められる旨と,上記の各根拠法条が記載されているのみで,「顧客」,「当該有価証券の発行者の法人関係情報」,「勧誘」等に該当する具体的な事実が記載されていない。
(2)当該行為があったとされる当時,当該外務員が法人関係情報を提供した相手方として処分者が認識していた者は当該金融商品取引業者に口座を持つ顧客ではなかった一方で,当該外務員と当該相手方は個人的に業務に関する情報交換を毎日のように行っていたという事実があり,上記通知書中の理由の記載において,処分者の認識する「顧客」,「当該有価証券の発行者の法人関係情報」及び「勧誘」の内容が具体的に示されなければ,当該処分の名宛人である当該金融商品取引業者及び当該処分に係る当該外務員において,処分者の認識する処分の具体的な理由を認識することは困難である。
(3)当該処分時には上記(2)の事実を示す証拠が存在しており,処分者においても上記(2)のような当該処分の名宛人及び当該外務員における処分理由の認識の困難さを予見することができた。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/461/087461_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87461

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【行政事件:退去強制令書発付処分取消等請求事件/東京 裁/平29・6・16/平28(行ウ)288】分野:行政

判示事項(by裁判所):
中国残留邦人3世の中華人民共和国国籍の女性と婚姻関係にある同国国籍の男性について,出入国管理及び難民認定法50条1項に基づき在留特別許可をしないで同法49条1項の異議の申出には理由がないとした地方入国管理局長の裁決が取り消された事例

要旨(by裁判所):中華人民共和国国籍の男性が,「投資・経営」の在留資格で本邦に在留中に傷害事犯を起こした後,中国残留邦人3世で「定住者」の在留資格で本邦に在留する同国国籍の元妻と再婚して「定住者」の在留資格への在留資格変更許可を受け,傷害事犯につき執行猶予付き懲役刑判決の確定後,在留期間更新申請を不許可とされたが,その後も本邦に滞在したとして不法残留の退去強制事由を認定され,口頭審理を経て,出入国管理及び難民認定法50条1項に基づく在留特別許可をしないで同法49条1項の異議の申出には理由がない旨の地方入国管理局長の裁決を受けた事案について,以下の(1)ないし(4)などの事情の下では,同裁決に際して同男性の在留を特別に許可しないとした判断は,全く事実の基礎を欠くというべき部分や,事実に対する評価が明白に合理性を欠くというべき部分があり,社会通念上著しく妥当性を欠くものであったことが明らかで,同裁決には裁量権の範囲をこえ又はその濫用がある違法があったとして,これが取り消された事例
(1)同男性は,在留期間を遵守して適法な在留資格を得ようとする意思はあったものと認められ,その不法残留は,在留資格制度を軽視したものとはいえず,強い悪質性があるとまでいうのは困難である。
(2)同男性の傷害事犯の犯情は悪質で,当時の在留状況が良好であるとはいえないと判断されたとしても不合理であったとはいえないが,傷害事犯後,それ以前とは価値観や人生観,生活態度を根本的に変容させて粗暴傾向が有意に減退していたにもかかわらず,同裁決においてこれを適切に認定していなかったことがうかがわれる。
(3)同男性の妻との再婚が傷害事犯を契機とするもので再婚後裁決通知までの期間が3年に満たないとしても,再婚後の婚姻関係は,同男性が家族優先の価値観を持つに至ったことを妻が評価するなどして,夫婦相互に家族としての重要性を再認識するに至っていて,離婚前の10年間の婚姻期間中よりも強固な信頼関係に支えられたものに昇華していることがうかがわれ,真摯で安定かつ成熟した夫婦関係として評価すべきものと考えられ,当該再婚が在留資格変更申請を有利に進めることを目的としたものにとどまると評価することは合理的とはいえない。
(4)同男性夫婦間の実子らは,中華人民共和国国籍ではあるが,本邦で出生,成育し,専ら日本語で公教育を受けてきていて現に中等教育機関に在学し,同男性も,本邦への定着性が高い中,離婚し別居していた期間を除きこれらの子を扶養,監護してきているところ,今後,子らが本国で継続的に生活することは現実的ではないという側面が強い。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/421/087421_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87421

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【行政事件:相続税更正及び加算税賦課決定取消請求控訴 事件/東京高裁/平28・1・13/平27(行コ)286】分野:行政

判示事項(by裁判所):
相続の対象である共同住宅の敷地の外延部に設けられた歩道状空地の価額の算定について,財産評価基本通達24にいう「私道の用に供されている宅地」には該当しないとされた事例

要旨(by裁判所):相続の対象である共同住宅の敷地の外延部に設けられた歩道状空地の価額の算定について,同敷地に含まれる土地はいずれも公道に接しており,同空地は接道義務を果たすために設けられたものではなく,同空地も含めて建物敷地の一部として建ぺい率等が算定されているなど判示の事情の下では,財産評価基本通達24にいう「私道の用に供されている宅地」には該当しない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/420/087420_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87420

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【行政事件:相続税更正処分等取消請求事件/東京地裁/平2 9・3・3/平25(行ウ)321】分野:行政

判示事項(by裁判所):
借地権の目的となっている宅地(底地)の価額の評価方法

要旨(by裁判所):借地権の目的となっている宅地(底地)の価額の評価方法について,財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直審(資)17国税庁長官通達。ただし,平成21年5月13日課評3−6による改正前のもの。以下同じ。)所定の方法により評価した自用地としての価額から,同通達の定めにより評価した借地権の価額を控除した金額によって評価する旨を定める同通達25の内容は,相続財産である当該宅地の客観的交換価値を算定する上での一般的な合理性を有していると認められる。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/186/087186_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87186

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