【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平24・6・26/平23(行ケ)10290】原告:(株)ミキ/被告:日進医療器(株)

裁判所の判断(by Bot):
上記(1)認定の事実に基づき判断する。
ア 相違点2に係る本件発明の構成には,「各スライドピン(17)が嵌挿されるスライダ(20)」(構成要件X),「該スライダ(20)は,先端にU字状ガイド部を備え,該U字状ガイド部は,支柱(2a),(2a)の直径と略等しい円弧を有するものとして下部水平杆(13)を複数の支柱(2a),(2a)間で円滑にスライドできるようにしたものであること」(構成要件Y)が含まれる。一方,甲8記載の技術は,上記(1)イ(ア)認定のとおりであり,その機能に照らすと,ハンドル用位置決め穴48c又は座部用位置決め穴58cは本件発明の係止孔(16)に,ロックピン48,58は本件発明のスライドピン(17)に,圧縮バネ49,59は本件発明のばね(18)に,操作ノブ46,56は本件発明の操作ノブ(19)に,それぞれ対応すると認められるが,本件発明のスライダ(20)に対応する構成を有しない。この点,原告は,連結水平パイプ42(52)は,スライダ(20)に対応する旨主張する。しかし,連結水平パイプ42(52)は車体の骨格を形成する部材であるから,むしろ本件発明の下部水平杆(13)に対応すると解するのが相当であり,ハンドルパイプ44又はガイド部54もU字状ではないから,甲8記載の技術が,本件発明のスライダ(20)に対応する部材を有しているとは認められない。また,甲8記載の技術は,「手押し車において,使い勝手のよい,腰掛けシートの座部やハンドル等の高さを調節するための高さ調節機構を提供すること」を課題とするものであり,車椅子の座幅の調整に係る本件発明や甲1発明の課題と共通ではないから,甲8記載の構成を甲1発明に適用する動機付けがあるとはいえず,スライダ(20)を備えた本件発明のロック機構15に想到することが,当業者にとって容易になし得るとはい(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120629161114.pdf



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