【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・10・16/平24(行ケ)10419】原告:沢井製薬(株)/被告:第一三共(株)

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,原告主張の取消事由のうち,取消事由2−1,取消事由3及び取消事由4(本件発明の効果に係る判断の誤り)はいずれも理由があり,本件発明1の進歩性に係る審決の判断は誤りであり,そうである以上,本件発明2ないし本件発明10の進歩性に係る審決の結論に影響を与えることは明らかであるから,審決は全体として違法であり,取消しを免れないものと判断する。その理由は以下のとおりである。なお,取消事由2−1は,カルベジロールの投与期間について主張するものであり,取消事由3は,本件発明による死亡率低下との効果の予測性を本件発明1と甲1発明の構成上の相違点として把握して主張するものであり,取消事由4は,本件発明の効果の顕著性について主張するものである。取消事由2−1,取消事由3及び取消事由4は,いずれも甲1発明に基づく本件発明1の進歩性に係る審決の判断の誤りをいう点において共通しており,独立の取消事由としてはまとめて1個のものであると解されるが,便宜上,構成上の相違点の容易想到性に係る取消事由2−1及び取消事由3を併せて判断し,これとは項を分けて効果の顕著性に係る取消事由4について判断する。
1取消事由2−1及び取消事由3について
(1)本件発明について
ア本件明細書の記載
本件明細書には以下の記載がある。
(ア)発明の分野
「本発明は,うっ血性心不全(CHF)患者の死亡率を減少させるために,二元性非選択的β−アドレナリン受容体およびα1−アドレナリン受容体アンタゴニストである…カルベジロールを使用する新規治療方法に関する。本発明はまた,CHF患者の死亡率を減少させるために,アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤,利尿薬および強心配糖体から成る群より選択された1または複数の別の治療薬と組み合わせて…カルベジロールを使用する治療方法に関する。本発明は更に,β−(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131021100509.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83666&hanreiKbn=07