【下級裁判所事件:強制わいせつ致傷/神戸地裁4刑/平26・3 ・28/平24(わ)882】

概要(by Bot):
本件は決して軽微な事案であるとはいえず,同種事案の量刑傾向に照らしても,実刑と執行猶予のいずれもあり得る事案といえる。そこで,社会内での更生環境について検討すると,被告人の更生を支えるための適当な監督者は見あたらず,被告人を受け入れる施設等も手配されていないことからすると,現状では更生環境はかなり心許ないといわざるを得ない。また,被告人は一応反省の態度を示しているものの,服役を免れたい気持ちが表に出ている。加えて,前刑からは相当長期間が経過しているものの,本件の犯行の経緯や手口等から考えれば,この種の性犯罪傾向は根深い。以上のことからすると,被告人について,現状では社会内で更生する条件が整っているとはいえず,実刑を選択することによって被告人の刑責の重さを明らかにすべきである。他方,刑期については,前記のように被告人のために酌むべき事情もあるから,酌量減軽の上,主文の刑を量定した。(検察官の求刑は懲役4年,弁護人の科刑意見は懲役2年執行猶予5年)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140530084345.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84224&hanreiKbn=04