【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平26・9 11/平26(行ケ)10002】原告:(株)フジ医療器/被告:ファミリーイ ナダ(株)

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,審決は,相違点1に係る容易想到性の判断を誤ったものであり,審決には取り消すべき違法があるものと判断する。その理由は,以下のとおりである。 1取消事由1(相違点の認定の誤り及び容易想到性判断の誤り)について
(1)相違点についての認定の誤りについて
ア本件訂正発明1の「形状維持が可能な程度に硬度が高い材料からなる外殻部」について
本件においては,本件訂正発明1の「形状維持が可能な程度に硬度が高い材料からなる外殻部」の意義が問題となっているため,まず,この点について検討する。本件訂正発明1はマッサージ機についての発明であり,本件特許の訂正後の請求項1によれば,発明の内容は,椅子型のマッサージ機であり,被施療者の腕部を保持する左腕用保持部及び右腕用保持部を備え,各保持部は,形状維持が可能な程度に硬度が高い材料からなる外殻部を有し,外殻部の内面に設けられた被施療者の腕部を施療する膨張及び収縮可能な空気袋を備え,保持部は被施療者の掌を含む前腕を保持可能であり,各空気袋が夫々独立に駆動し,被施療者の腕部を片腕毎に施療する,というものである。この「形状維持が可能な程度に硬度が高い材料からなる外殻部」について,原告は,取消事由2の記載要件違反の主張において,空気袋が収縮している状態において空気袋が膨張しているときと同じ形状を外殻部が維持して初めて「形状維持が可能な程度」といえるのか,又は,空気袋が収縮している状態において空気袋が膨張しているときと同じ形状を外殻部が維持していなくても「形状維持が可能な程度」といえるのか,複数の意味に解釈できる,「形状維持が可能な程度に」とは,空気袋が収縮している状態において空気袋が膨張しているときと同じ形状を維持している外殻部,空気袋が収縮している状態において空気袋が膨張しているときと同じ形状を維持しない外殻部,(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/465/084465_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=84465