【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平27・8 26/平26(行ケ)10235】原告:アクゾノーベル(株)/被告:昭和電工 (株)

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,本件審判は,第2審決で既に審理判断された無効理由と,同一の事実及び同一の証拠に基づく請求であるとは認められないから,本件審判が,第2審決と同一の事実及び同一の証拠に基づく請求であり,第2審決の一事不再理効に反 8するとして,本件審判の請求を却下した本件審決にはこれを取り消すべき違法があると判断する。その理由は,以下のとおりである。 1本件発明の概要
本件発明は,食品工業をはじめとする各種工業プロセスの硬表面の洗浄に用いられる洗浄剤に関するものである。従来は,硬表面の汚れ除去のためキレート剤であるEDTA塩類を主成分とする洗浄剤が広く用いられていたが,EDTA塩類は非常に高いキレート能を有するものの,微生物により分解され難いため,環境保全の面から問題があり,生分解性能に優れるグルタミン酸二酢酸塩類は洗浄能力が十分ではないという課題があったところ,本件明細書によれば,本件発明は,主成分に水酸化ナトリウム,アミノジカルボン酸二酢酸塩類(グルタミン酸二酢酸等)及びグリコール酸ナトリウムの三成分を混合した洗浄剤組成物が,それぞれの相乗効果によりその単独のものより優れた洗浄効果を現すことを見出したことによりなされた発明であり,生分解性にも優れ,EDTAと同等の洗浄性能を有する洗浄剤組成物である,と記載されている。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/295/085295_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85295