【意匠権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平28・11 10/平28(行ケ)10108】原告:ザプロクターアンドギャンブルカン ニー/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):

1本願意匠の創作容易性について
(1)法3条2項は,物品との関係を離れた抽象的なモチーフとして日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(公然知られた形態)を基準として,それからその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(当業者)が容易に創作することができた意匠でないことを登録要件としたものであり,上記公然知られた形態を基準として,当業者の立場から見た意匠の着想の新しさないし独創性を問題とするものである(平成10年法律第51号による改正前の法3条2項につき,最高裁判所第三小法廷昭和49年3月19日判決・民集28巻2号308頁,最高裁判所第二小法廷昭和50年2月28日判決・裁判集民事114号287頁参照)。 (2)本願意匠及び各引用意匠の構成
ア弁論の全趣旨によれば,本願意匠及び各引用意匠の構成は,いずれも,本件審決の認定(前記第2の3(1)及び(2))のとおりと認められる。
イこれに対し,原告は,本願意匠の構成につき構成態様AないしHのとおり認定すべき旨主張する。しかし,原告の主張に係る構成態様のうち,構成態様Aは本件審決の認定に係る構成(1),構成態様Cは構成(2),構成態様Eは構成(2−1),構成態様Fは構成(3),構成態様Gは構成(3−1)と同一といってよい。また,構成態様Bに関しては,本件審決が「容器本体部は,全体を…略円柱状体とし」(構成(2)),「キャップ部は,…やや扁平な…略円柱形状で」(構成3),「注出口は,円柱形状部と,その上部に屋根のように表れる扁平な略円錐台形状部からなるものであり」(構成(3−1))としていることを踏まえると,本件審決も本願意匠のキャップ及び容器本体につきどの方向から観察しても略同一の回転体であることを念頭に置いていることがうかがわれることから,本件審決の認定に係る本(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/258/086258_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=86258