【行政事件:所得税更正処分等取消請求控訴事件/東京高 /平28・4・21/平27(行コ)236】分野:行政

判示事項(by裁判所):
1競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たるとされた事例
2競馬の外れ馬券の購入代金について,雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができるとされた事例

要旨(by裁判所):1期待回収率が100%を超える馬券を有効に選別し得る独自のノウハウに基づいて長期間にわたり多数回かつ頻繁に当該選別に係る馬券の網羅的な購入をして100%を超える回収率を実現することにより多額の利益を恒常的に上げていたという本件の事実関係の下では,このような一連の馬券の購入は一体の経済活動の実態を有するから,馬券の的中による払戻金に係る所得は所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たる。
2馬券の購入実態が大量的かつ網羅的であるという本件の事実関係の下では,個々の馬券の購入に分解して観察すべきものではなく,外れ馬券を含む一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するのであり,外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金の費用が,的中馬券の払戻金という収入に対応するものとして,所得税法上の必要経費に当たると解されるから,外れ馬券の購入代金は,雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができる。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/630/086630_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=86630