(【下級裁判所事件:関税法違反,消費税法違反,地方税 違反被告事件/大阪高裁1刑/平29・6・8/平28(う)1338】/被告:事)

裁判所の判断(by Bot):

本件没収対象物件について「犯人以外の者に属しない物」と認定するには合理的疑いがあるから,原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある。その理由は,以下のとおりである。 事実関係
関係証拠によると,以下の事実が認められる。
ア 被告人ら上位者グループの者は,関与し始めた時期等に異同はあるものの,かねてより,しばしば香港に渡航し,平成19年頃からは,週に1度,4名のうちの1名ないし2名が交替で香港に出国し,Gが香港側業者から密輸入する時計や金地金等を集荷し,これを空港にいる運び屋グループに届けるのに同行するなどしていた。日本に密輸入された物品は,Bが代表取締役を務める株式会社Kに持ち込まれ,そこで同社が香港の会社(L,M等)から正規に仕入れた商品であるように書類が整えられた上,GからLINEで送信されるリストに基づいて,腕時計は株式会社Nや有限会社O等の国内の時計卸売業者に配送され,金地金は貴金属店や共犯者P等に持ち込まれていた。
イ 配送先から売買代金として株式会社Kに支払われた金員は海外に送金され,上位者グループは,あらかじめGを介して香港側業者との間で決められていた腕時計や金地金1個あたりの手数料(コミッション料)に基づき,Gが一月ごとに集計した金額を,渡航した際にGから受け取っていた。香港側業者に新たな荷主が加わる場合には,上位者グループのメンバーがGを介して手数料の交渉をし,折り合えば密輸を引き受けていた。
ウ 上記ア,イの過程を通じて,上位者グループの者は,香港側業者に関しては,若干の接触がある程度で,取引について,香港側業者や香港側業者に依頼した別の荷主らと直接交渉することはなかった。検討上記認定の事実によれば,本件は,上位者グループが行ってきた上記一連の密輸入の一環として行われた犯行であると認められるところ,上位者グループは,(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/873/086873_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86873