【下級裁判所事件:殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被 告事件/福岡高裁三刑/平29・7・10/平28(う)525】結果:棄却

事案の概要(by Bot):
1本件は,暴力団組織の周辺における殺人事件(以下「本件射殺事件」という。)について,その組長ないし幹部構成員であった被告人両名が,共謀共同正犯としての刑事責任を問われた事案である。なお,被告人両名は,銃砲刀剣類所持等取締法違反(本件射殺事件に際してのけん銃等所持。以下「本件所持事件」という。法令名は「銃刀法」と表記する。)でも併せて起訴されている。 2前提として,以下の事実は当事者間に概ね争いがなく,証拠上も認定できる。
関係者の地位等
本件射殺事件の発生当時における関係者らの地位は,以下のとおりである。被告人Bは,暴力団四代目C会の下部組織たる暴力団二代目D組の組長であると同時に,C会の「風紀委員長」なる幹部の地位にもあった。被告人Aは,D組の組員であり,その若頭補佐であるEに次ぐ幹部の地位にあった。F(本件射殺事件で殺害された者。以下「被害者」と記載。)は,D組の組員たる地位を退き,同組織の「相談役」と呼ばれる地位にあった。なお,同人は,D組の前身(初代D組)には,被告人Bより上位の組員とし
2て所属していた。G(分離前の相被告人)は,C会の下部組織たる暴力団H組の若頭の地位にあった。なお,同人は,かつてD組の若頭として被告人Bの配下で活動していた。Mは,H組の幹部の地位にあった。Jは,H組の若中として,G,Mの配下で活動していた。 本件射殺事件の発生
被害者は,平成20年9月10日(以下,断らない限り日付は同年中のもの。)午前2時50分頃,福岡県中間市所在の自宅で射殺された。
3原判決は,本件射殺事件の実行犯をEと認定した上,被告人両名が,E,G及びJと共謀して本件射殺事件と本件所持事件に及んだものと認め,被告人Bを無期懲役に,被告人Aを懲役15年に処した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/967/086967_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86967