【下級裁判所事件:窃盗被告事件/奈良地裁葛城支部/平29 6・19/平27(わ)4】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,
第1 平成26年12月2日午前3時頃から同日午後4時30分頃までの間に,和歌山県紀の川市AB番地C所在の農小屋において,D所有のトラクター1台(時価100万円相当)を窃取し,
第 2同月6日午前2時頃から同日午前8時頃までの間に,大阪府岸和田市E町F番地のGH株式会社南西方約200メートル先農作業用倉庫において,I所有のトラクター1台(時価30万円相当)を窃取した。 (補足説明)
当裁判所は,本件公訴事実について,同一性が認められる限度で,判示第1及び第2のとおり罪となるべき事実を認定したが,その理由は以下のとおりである。なお,以下においては,公判調書中の証人や被告人の供述部分は,単に証言又は供述と表記する。また,以下の出来事は,特記なき限り,平成26年のものである。 第1 弁護人の主張
弁護人は,判示第1及び第2の事実について,被告人はいずれの犯行にも及んでいない旨主張するとともに,捜査機関はこれらの事実についてGPS端末等を利用した捜査を実施しているが,この捜査には令状主義の精神を没却するような重大な違法があり,上記捜査によって直接得られた証拠及びこれと密接な関連性を有する証拠は違法収集証拠として証拠排除されるべきであるから,その結果として被告人を犯人とする証拠がないことに帰する旨主張し,いずれにしても被告人は無罪であるとする。 第2 本件各証拠の証拠能力
1本件の捜査経過
関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。
?GPS捜査の開始に至る経緯についてア11月3日及び同月22日,J県K警察署(以下「K署」という。)管内において,トラクターの盗難事件が発生したことから,K署刑事第一課の司法警察員Lは,K署管内以外におけるトラクターの盗難事件の有無を確認したところ,9月から11月にかけて,大阪府及び和歌山県などで30件近くのトラクターの盗難事件が発(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/982/086982_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86982