【下級裁判所事件:業務上過失致死/東京高裁8刑/平29・9・ 20/平29(う)344】結果:破棄自判

事案の概要(by Bot):
1原判決が認定した罪となるべき事実は,要旨,以下のとおりである。すなわち,被告人は,天竜川において旅客船に乗客を乗せて運送する一般旅客定期航路事業である遠州天竜舟下り事業(以下「本件舟下り事業」という。)を行うA株式会社(以下「本件会社」という。)の業務委託社員であり,船頭主任及び海上運送法10条の3第1項及び第2項に基づき策定された安全管理規程上の運航管理補助者として,船頭らに対する操船指導を行う業務や同安全管理規程上の安全統括管理者兼運航管理者であったBを補佐し旅客船の運航及び輸送の安全を確保する業務に従事していたものであるが,本件舟下り事業の航路であるEと称される流域の運航に当たっては,急流が流れ込む左岸側(川上から川下に向かって左岸側をいう。以下同じ。)は岩が露出する岩壁,右岸側(川上から川下に向かって右岸側をいう。以下同じ。)は浅瀬であり,川の中央付近から右岸付近には大きな渦が発生し,その中心付近では川底から急激に水が湧き上がる噴流が発生しており,以前から噴流等の影響により旅客船の舳先が右に振られることが度々あり,ときには約90度転回することもあったのであるから,噴流等の影響により旅客船の舳先が振られて航路を逸脱し,船頭らが転回を止めるための適切な操船を行わなければ旅客船が約180度転回し,その場合には,右岸側の浅瀬に接岸させるなどの危険回避措置を採らなければ,船頭らが旅客船を方向転換させるため上流方向に遡らせようとし,その際,上流からの流れと船外機の推
進力が拮抗して遡上できず,左岸方向へ斜航するなどして旅客船が左岸側の岩壁に衝突し,乗客らの生命・身体に危険を及ぼすおそれのある状況になることが予見できたのであるから,Eの状況を十分に把握して安全管理体制の点検を行った上,Bに対し,Eにおいて噴流等の影響により旅客船が転回しないようにする(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/097/087097_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87097