【下級裁判所事件/東京高裁/平29・6・15/平28(ネ)2636】

事案の概要(by Bot):
1被控訴人は,顕微鏡,写真機,精密測定器その他光学機械の製造販売並びに修理及び賃貸事業を主たる事業とする東京証券取引所(以下「東証」という。)一部上場の株式会社(平成15年10月1日の変更前の商号は「オリンパス光学工業株式会社」)である。被控訴人は,本業の売上で輸出が占める割合が大きく,円高の影響を受けやすい収益構造であったため,営業外収益を拡大すべく金融資産の積極的な運用を図るようになっていたところ,平成2年頃のいわ
2ゆるバブル経済の崩壊によって金融資産に含み損を抱えるようになり,その損失が平成4年頃には約480億円であったものが,次第に拡大して,平成8年頃には約900億円に達していた。ところが,歴代社長の判断の下,この事実を公表せず,決算期には含み損がある金融資産を一時的に証券会社等に買い取らせて決算期後に買い戻したり,自社で組成した連結決算対象外の海外投資ファンド(以下「簿外ファンド」という。)に買い取らせるといった「飛ばし」と呼ばれる手法等を用いて,簿外処理をして損失を隠匿していた。そうしたところ,企業会計原則の見直しにより,取得原価主義から時価評価主義へと金融資産の評価方法が変更されることとなり,監査法人の指導もあって,被控訴人が含み損を抱えた金融資産を簿外で維持する資金の供給源として用いていた「特定金銭信託」及び「特定金外信託」(信託銀行に開設した特金口座に預けた資産の運用を証券会社に任せて有価証券投資等を行うもので,契約終了時に金銭で引き渡されるのが特定金銭信託で,現状の有価証券等で引き渡されるのが特定金外信託である。以下,合わせて「特金等」という。)の解消を迫られ,従前のやり方では損失隠しの継続が難しくなる事態となった。そこで,当時,被控訴人の総務・財務部長として,損失処理を所管していたAは,部下のB及びC(以上の3名を合わせて(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/436/087436_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87436