【下級裁判所事件:関税法違反,消費税法違反,地方税法 違反/福岡高裁1刑/平30・7・20/平30(う)131】結果:棄却

主文(by Bot):
本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中100日を原判決の懲役刑に算入する。
理由
第1共謀に関する事実誤認の主張について
論旨は,被告人は,原判示の関税法に違反し金地金を無許可で輸入して不正の行為により消費税及び地方消費税を免れた犯行につき,日本人AないしD,元中国人E,中国人FないしIの9名らと共謀した事実はない。そうであるのに,被告人が共犯者らと共謀して本件犯行に及んだ旨認定した原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認がある,というのである。そこで記録を調査し,当審における事実取調べの結果をも併せて検討すると,関係証拠から,被告人が前記Aら共犯者らと共謀して本件犯行に及んだ旨認定したことに,論理則,経験則に反するところはなく,原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認はない。その理由は以下のとおりである。
1関係証拠によれば,次の事実を認めることができる。Aは,平成29年3月,Bに対し,座礁した本件船舶を修理したが,更に長崎県壱岐市の造船所で修理するので,それに同行するように求め,操船技術がないのに同行する理由が分からず躊躇するBに対して,中国から持ってくる金地金を海上で受け取るので,それを陸揚げして自動車に積んで欲しいと言って,報酬として30万円から50万円支払うと説明してきた。本件船舶は,漁船の原簿から抹消されていたが,Aがそれを購入し,同年3月17日頃船舶の検査に合格して小型船舶の登録がされ,同月20日過ぎA,J及びDによって青森県むつ市から壱岐市のa漁港まで回航され,同月24日から同年4月22日までの間a漁港の造船所で修理された。
その間の同年3月28日,A,J,D,F及びGは,本件船舶に乗船してa漁港を出港し,海上の波風が荒れる中で,外国船に接舷しようとしたが,接舷できず,a漁港に帰港した。Bは,そのときの報酬として,(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/933/087933_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87933