【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平23・5・30/平22(行ケ)10363】原告:サンケミカルコーポレーション/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
(1)特許を受ける権利が共有に係るときは,各共有者は他の共有者と共同でなければ特許出願をすることができず,その共有に係る権利について審判を請求するときは,共有者の全員が共同して請求しなければならない(同法132条3項)。
 また,特許を受けようとする者は,特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならず(同法36条1項),拒絶査定に対して不服審判を請求する者は,当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならないとされている(同法131条1項)。したがって,共有者の全員が一人の代理人に対して拒絶査定不服審判の請求を委任し,その代理人が,共有者のために拒絶査定不服審判を請求する際には,審判請求書に請求人として共有者全員の氏名を記載することが求められる。
(2)上記規定によれば,審判請求書には審判請求人全員の氏名を記載しなければならないのであるが,他方,共有に係る権利の共有者全員の代理人から審判請求書が提出された場合において,共有者全員が「共同して請求した」といえるかどうかについては,単に審判請求書の請求人欄の記載のみによって判断すべきものではなく,その請求書の全趣旨や当該出願について特許庁が知り得た事情等を勘案して,総合的に判断すべきである。ところで,共有に係る特許を受ける権利についての審判請求のように,共有者全員が共同して請求しなければならないと規定されている場合に,代理人が,共有者全員から拒絶査定不服審判請求について委任を受けているにもかかわらず,共有者の一部の者のみを代理して拒絶査定不服審判を請求することは,あえて不適法な審判請求をすることとなり,そのような行為は,不自然かつ不合理であるといえるから,代理人がそのような共有者全員の利益を害するような行為を行う(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110531121332.pdf



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