Archive by month 8月

【知財(不正競争):損害賠償等請求控訴事件/知財高裁/令2 1・31/令1(ネ)10044】

本件は,被控訴人が,被控訴人の元社員である控訴人が,被控訴人の保有する営業秘密である電磁鋼板に係る原判決別紙2営業秘密目録記載の技術情報(以下「本件技術情報」と総称し,そのうちの各技術情報を同目録記載の頭書の番号に従って「本件技術情報1」などという。)を取得し,これを株式會社ポスコ(以下「POSCO」という。)に対し開示した行為が不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項4号又は7号の不正競争(営業秘密の不正取得又は不正開示)に当たる旨主張して,控訴人に対し,同法3条1項に基づき,本件技術情報の使用及び開示の差止めを,同条2項に基づき,本件技術情報を記録した電子ファイル及び同電子ファイルが保存された媒体の廃棄を,同法4条に基づく損害賠償として,10億2300万円及びこれに対する不正競争の後である平成24年4月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原判決は,本件技術情報は同法2条6項の「営業秘密」に該当すると認定した上で,控訴人が平成17年8月頃から平成19年5月頃にかけて不正の利益を得る目的で本件技術情報をPOSCOに対し開示した行為が同条1項7号の不正競争に当たる旨認定判断し,被控訴人の請求をいずれも認容した。 控訴人が原判決を不服として本件控訴を提起した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/431/089431_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89431

Read More

【下級裁判所事件:入札談合等関与行為の排除及び防止並 びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法 律違反,公契約関係競売入札妨害,加重収賄,収賄/大阪地裁6 /令2・2・21/平31(わ)1103】

被告人は,大阪市建設局企画部(平成28年度以前は管理部)工務課の職員として,大阪市が発注する電気工事の設計,積算等の職務に従事していたもの,Aは,電気工事の施工,請負等を業とするB株式会社の経営に実質的に関与し,営業,入札業務等を統括していたものであるが
第1 Aと共謀の上,別表1(掲載省略)記載のとおり,平成26年12月4日から平成30年9月14日までの間に開札が行われた大阪市発注の電気工事合計29件の各制限付一般競争入札に先立ち,Aが,各入札における秘密事項であって,最低制限価格帯算出の根拠となる各直接工事費等の教示を被告人に依頼し,被告人において,前記職務に従事する者として適正に入札等に関する職務を行う義務があるのに,その職務に反し,平成26年12月1日頃から平成30年9月12日頃までの間,15回にわたり,大阪市a区bc丁目d番e号所在の飲食店「C」などにおいて,前記各直接工事費等をAに教示するなどし,もって偽計を用いるとともに入札等に関する秘密を教示することにより,公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をし,
第2 別表2(掲載省略)記載のとおり,平成26年12月4日から平成29年6月6日までの間に開札が行われた大阪市発注の電気工事合計27件の各制限付一般競争入札につき,自己が職務上知ることができた入札に関する秘密事項である直接工事費等をAに教示して職務上不正な行為をしたことに対する謝礼として供与されるものであることを知りながら,平成26年12月1日頃から平成29年5月30日頃までの間,14回にわたり,前記飲食店「C」などにおいて,Aから現金合計135万円の供与を受け,もって自己の職務上不正な行為をしたことに関し賄賂を収受し,
第3 大阪市発注の電気工事の制限付一般競争入札につき,有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨のもとに供与されるものであることを知りながら,別表3(掲載省略)記載のとおり,平成27年10月27日頃から平成30年10月30日頃までの間,16回にわたり,大阪市f区gh丁目i番j号所在の飲食店「D」などにおいて,Aから現金合計300万円及び普通乗用自動車1台(販売価格410万円。大阪地方検察庁平成31年領第1842号符号499)の供与を受けるとともに,Aに旅行代金(合計62万9620円相当)を支払わせて財産上の利益の供与を受け,もって自己の職務に関し賄賂を収受した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/429/089429_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89429

Read More

【下級裁判所事件:謝罪広告等請求事件/京都地裁3民/令元 ・12・10/平29(ワ)451】結果:棄却

本件は,米の販売会社である原告京山,原告JA京都中央会,原告JA全農及び原告JA京都(以下,原告京山を除く原告らを併せて「原告JA京都中央会ら」という。)が,被告ダイヤモンド社の発行する週刊誌である「週刊ダイヤモンド」(以下,単に「週刊ダイヤモンド」という。)第105巻7号(平成29年2月13日発売)に掲載された「告発スクープ 産地偽装疑惑に投げ売りも JAグループの深い闇」と題する別紙記事(以下「本件記事」という。)及び被告ダイヤモンド社が提供するウェブサイトDIAMOND ONLINE(以下「ダイヤモンドオンライン」という。)に掲載された本件記事と同旨の記事(以下「本件ウェブ記事」といい,本件記事と併せて「本件各記事」という。)について,本件各記事が,原告京山が自らの販売する米に意図的に中国産米を混入したという事実,原告JA京都中央会らが原告京山の株主としての立場等でこれに関与したという事実を摘示し,原告らの名誉を棄損したと主張して,
原告らが,被告ダイヤモンド社に対し,民法723条に基づき,本件ウェブ記事の削除並びに週刊ダイヤモンド及びダイヤモンドオンラインへの謝罪広告の掲載を求め(第1事件,第2事件),
原告らが,被告ダイヤモンド社並びに本件各記事を執筆した記者である被告a及び被告bに対し,不法行為(民法709条,同法710条及び同法715条)に基づく損害賠償として,各原告につきそれぞれ1100万円(慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円)及び上記各金員に対する平成29年2月13日(上記週刊誌発行日)から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求め(第1事件,第2事件),
原告京山が,被告らに対し,被告a,被告b,編集長であった被告c及び被告ダイヤモンド社について不法行為(民法709条,同法710条及び同法715条)に基づき,被告ダイヤモンド社の取締役である被告dについて会社法429条1項に基づき,損害賠償として6億4560万6745円(逸失利益5億4442万9581円,調査費用4317万7164円及び弁護士費用5800万円)及びこれに対する被告dを除く被告らについては平成29年2月13日から,被告dについては同年11月10日(訴状送達の日の翌日)から,各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める(第3事件) 事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/428/089428_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89428

Read More

【下級裁判所事件:損害賠償請求事件/名古屋地裁民8/令元 ・8・2/平25(ワ)2710】

本件は,平成23年3月11日に発生した本件地震及びこれに伴う津波の影響で,被告東電が設置し運営する福島第一原発から放射性物質が放出されるという本件事故が発生したことにより,福島県内から愛知県,岐阜県及び静岡県へ避難を余儀なくされたと主張する者又はその相続人である原告らが,被告東電に対しては,福島第一原発の敷地高さを超える津波の発生等を予見しながら,福島第一原発の安全対策を怠ったと主張して,原賠法3条1項,民法709条又は民法717条1項に基づき,被告国に対しては,経済産業大臣が被告東電に対して電気事業法に基づく規制権限を行使しなかったこと等が違法であると主張して,国賠法1条1項に基づき,各原告番号に対応する別紙認容額等一覧表「請求額」欄記載の各損害賠償金及びこれに対する平成23年3月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を連帯して支払うことを求めた事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/427/089427_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89427

Read More

【知財(特許権):損害賠償請求控訴事件/知財高裁/令2・3・ 25/令1(ネ)10058】

本件は,被控訴人が,控訴人ら,1審相被告日本知財開発株式会社(以下「日本知財開発」という。),1審相被告株式会社ecoリーフ(以下「ecoリーフ」という。),1審相被告株式会社ジンム(以下「ジンム」という。),1審相被告A,1審相被告B,1審相被告C及び1審相被告D(以下,併せて「控訴人ら10名」という。)が一体となって,被控訴人に対し,発明の名称を「地盤強化工法」とする特許(特許第3793777号。以下「本件特許1」又は「本件地盤特許」といい,この特許権を「本件特許権1」という。)及び発明の名称を「ナビゲーション装置」とする特許(特許第4141007号。以下「本件特許2」又は「本件ナビ特許」といい,この特許権を「本件特許権2」という。また,本件特許権1と本件特許権2を併せて「本件各特許権」という。)の共有持分を購入すれば,近日中に大幅に価値が上がり,高額なロイヤリティを受け取れるなどと虚偽の事実を述べて購入を勧誘し,被控訴人から,購入代金名下に金員を騙取した旨主張して,控訴人X2,日本知財開発,ecoリーフ及びジンムに対しては共同不法行為に基づく損害賠償として,控訴人X1,控訴人X3,A,B,C及びDに対しては会社法429条1項に基づく取締役の任務懈怠による損害賠償として,控訴人ら10名に対し,9032万円及びこれに対する平成29年3月8日(最後の不法行為の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
原審は,被控訴人の控訴人X2,日本知財開発,ecoリーフ及びジンムに対する請求を全部認容し,被控訴人の控訴人X1,控訴人X3,A,B,C及びDに対する請求を一部認容(遅延損害金の起算日をそれぞれの訴状送達の日の翌日と認定し,遅延損害金の支払請求の一部を棄却)した。 これに対し控訴人らのみが,敗訴部分を不服として,本件控訴を提起した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/426/089426_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89426

Read More

【下級裁判所事件:自衛隊出動差止等請求事件/大阪地裁2 /令2・1・28/平28(行ウ)167】

要旨(by裁判所):
我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(平成27年法律第76号)及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(同年法律第77号)によって新設又は改正された規定に基づく自衛隊の出動命令,後方支援活動及び協力支援活動等は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとして,行政事件訴訟法3条7項に基づく差止請求を却下するとともに,前記各法律の制定に係る内閣及び国会議員の行為について,原告らの平和的生存権,人格権及び憲法改正決定権等の侵害を理由とする国家賠償請求を棄却した事案

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/424/089424_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89424

Read More

【★最決令2・3・24:文書提出命令に対する許可抗告事件/ 1(許)12】結果:破棄差戻

判示事項(by裁判所):
検察官等から鑑定の嘱託を受けた者が当該鑑定に関して作成し若しくは受領した文書等又はその写しは民訴法220条4号ホに定める刑事事件に係る訴訟に関する書類又は刑事事件において押収されている文書に該当するか

要旨(by裁判所):
検察官,検察事務官又は司法警察職員から鑑定の嘱託を受けた者が当該鑑定に関して作成し若しくは受領した文書若しくは準文書又はその写しは,民訴法220条4号ホに定める刑事事件に係る訴訟に関する書類又は刑事事件において押収されている文書に該当する。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/423/089423_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89423

Read More

【★最決令2・3・24:文書提出命令等に対する許可抗告事 /令1(許)11】結果:棄却

判示事項(by裁判所):
鑑定のために必要な処分としてされた死体の解剖の写真に係る情報が記録された電磁的記録媒体が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例

要旨(by裁判所):
文書提出命令の申立人の父の死体について司法警察職員から鑑定の嘱託を受けた者が当該鑑定のために必要な処分として裁判官の許可を受けてした当該死体の解剖の写真に係る情報が記録された電磁的記録媒体であって当該司法警察職員が所属する地方公共団体が所持するものは,当該地方公共団体と当該申立人との間において,民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当する。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/422/089422_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89422

Read More

【知財(特許権):特許権侵害差止等請求事件/東京地裁/令2 3・19/平29(ワ)32839】

原告は,美容器の特許に係る特許権者であるところ,別紙被告製品目録記載1ないし6の各美容器(以下「被告各製品」と総称する。また,被告各製品のうち,同目録記載1ないし3の各美容器を併せて「旧被告製品」と総称し,同目録記載4ないし6の各美容器を併せて「新被告製品」と総称する。)は,上記特許に係る特許発明の技術的範囲に属すると主張している。
そして,本件は,原告が,被告に対し,被告による被告各製品の製造,使用,譲渡等は,上記特許権を侵害すると主張して,上記特許権に基づき,被告製品の製造,使用,譲渡等の差止め,並びに上記侵害行為を組成したものであるとして,被告各製品及びその半製品,製造のための金型の廃棄を求めるとともに,民法709条及び特許法102条2項に基づき,不法行為による損害賠償請求として,損害賠償金1億0089万6455円の一部である5000万円及びうち885万0600円に対する平成29年10月4日(訴状送達の日の翌日)から,うち4114万9400円に対する令和元年7月3日(令和元年6月27日付け訴えの変更申立書送達の日の翌日)から各支払済みまでそれぞれ民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/421/089421_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89421

Read More

【下級裁判所事件:損害賠償請求控訴事件/大阪高裁1民/令 2・2・27/平31(ネ)784】

要旨(by裁判所):
被控訴人らの子が中学2年で自殺したのは同級生である控訴人らのいじめが原因であるとする損害賠償請求につき,いじめ行為と自殺との間の相当因果関係を認めた上で,過失相殺の規定の適用及び類推適用により損害の4割を減額して請求を認容した事例

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/420/089420_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89420

Read More

【知財(特許権):特許権侵害差止請求事件/東京地裁/令2・2 ・5/平30(ワ)13927】

本件は,原告が,被告は,被告が管理する別紙1物件目録記載のコンピュータシステム(以下「被告コンピュータシステム」という。)を使用して被告のモバイル送金・決済サービスを提供することにより,原告の有する特許権を侵害していると主張して,被告に対し,特許法100条1項に基づき,被告コンピュータシステムの使用の差止めを求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/419/089419_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89419

Read More

【知財(特許権):特許権侵害差止等請求事件/東京地裁/令2 1・17/平29(ワ)28189】

本件は,発明の名称を「シール状物の積層体」とする特許権を有する原告が,被告らは別紙1被告製品目録記載の製品を販売するなどして原告の特許権を侵害していると主張して,特許法100条1項に基づき,被告株式会社大創産業に対し,被告各製品の使用,譲渡等の差止めを,被告株式会社PPJ及び被告株式会社Life−do.Plusに対し,被告各製品の製造,使用,譲渡等の差止めを求め,同法100条2項に基づき,被告らに対し,被告各製品の廃棄を求めるとともに,民法719条1項,709条及び特許法102条2項に基づき,被告らに対し,損害賠償金の一部である2200万円及びこれに対する不法行為の後の日である訴状送達の日の翌日(被告PPJらにつき平成29年9月2日,被告大創産業につき同月3日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/418/089418_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89418

Read More

【下級裁判所事件:損害賠償等請求控訴事件/大阪高裁3民/ 令2・2・4/平31(ネ)535】

要旨(by裁判所):
1第二次世界大戦中,日本国により中国から日本に強制連行され,日本各地の事業場で強制労働に従事させられたことを原因とする控訴人らの被控訴人に対する慰謝料請求を,最高裁平成19年4月27日第二小法廷判決の考え方に則り,日中共同声明5項によって裁判上訴求する権能を失ったとした原判決の判断は,相当である。
2強制連行・強制労働という先行行為があったとしても,戦後,侵害の回復という作為義務(とりわけ,金銭支払義務)が別個に生ずるとはいえず,その不履行が別個独立の損害賠償請求権の発生根拠となることはない。
3昭和29年から昭和35年にかけての国会における外務省アジア局長及び内閣総理大臣の答弁は,具体的な事実を摘示したものではなく,それ自体で被害者らの社会的評価を低下させたとは認められないから,いずれも被害者らに対する名誉棄損とはならない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/417/089417_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89417

Read More

【下級裁判所事件:損害賠償請求事件/大阪地裁25民/令2・2 ・21/平28(ワ)3088】

本件は,被告会社が経営していたレストラン「D」(以下「本件レストラン」という。)で調理師として働いていたEが,本件レストランにおいて長期間にわたって反生理的な長時間労働に従事した結果,過労等によって体力・免疫力が低下したために心筋炎を発症し,劇症型急性心筋炎のため補助人工心臓を装着することになり,最終的に脳出血によって死亡するに至ったとして,Eの妻及び両親である原告らが,Eの使用者である被告会社に対しては,会社法350条又は安全配慮義務違反に基づく損害賠償として,被告会社の代表者である被告Fに対しては,不法行為又は会5 社法429条1項に基づく損害賠償として,治療費,逸失利益,慰謝料及び弁護士費用等の合計9834万4872円(Eの妻であった原告Aに対しては6556万3248円,Eの両親である原告B及び原告Cに対しては各1639万0812円)及びこれらに対する不法行為後の日(Eの死亡の日)である平成26年6月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各連帯支払を求めた事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/414/089414_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89414

Read More

【下級裁判所事件:損害賠償請求事件/大阪地裁15民/令2・2 ・26/平30(ワ)2937】

本件は,被告Cが運転する普通貨物自動車(以下「被告車」という。)が,Fが運転する自転車(以下「本件自転車」という。)に衝突し,Fが死亡した事故(以下「本件事故」という。)につき,Fの母である原告A及びFの弟である原告Bが,被告らに対し,以下の損害賠償を求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/413/089413_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89413

Read More

【下級裁判所事件:遺族厚生年金不支給処分取消請求事件 /東京地裁/令元・7・12/平29(行ウ)247】

本件は,老齢厚生年金の受給権者である夫が死亡したため,その当時A市議会議員を務めていた原告が,原告の夫に係る遺族厚生年金の裁定を請求したところ,処分行政庁から,原告が,上記の当時,厚生年金保険法施行令(以下「厚年令」という。)3条の10に規定する「厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外のもの」に当たらないことから,夫によって生計を維持していたものとは認められないとして,本件処分を受けたことから,原告は,夫が死亡した当時,平成31年▲月に予定されていたA市議会議員選挙(以下「次期選挙」という。)に立候補しないことを既に決めており,令和元年▲月▲日をもって議員の任期が満了すれば,原告の収入が同条にいう「厚生労働大臣の定める金額」未満となることが明らかであったところ,本件処分にはこれを看過した違法があるなどと主張して,本件処分の取消しを求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/412/089412_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89412

Read More

【★最判令2・3・26:地方自治法251条の5に基づく違法な国 関与(裁決)の取消請求事件/令1(行ヒ)367】結果:棄却

判示事項(by裁判所):
公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認と行政不服審査法7条2項にいう「固有の資格」

要旨(by裁判所):
公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認は,国の機関が行政不服審査法7条2項にいう「固有の資格」において相手方となるものということはできない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/411/089411_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89411

Read More

【下級裁判所事件:強盗殺人,傷害,窃盗,覚せい剤取締 法違反/東京高裁4刑/令2・2・13/平31(う)595】結果:棄却

原判決が認定した罪となるべき事実の概要は,被告人が,Bと共謀の上,2回にわたり,千葉県松戸市内の駐車場において,普通乗用自動車各1台(時価合計約80万3000円相当)を窃取し(原判示第1,第2。以下,原判決に倣い「第1事件」ということがある。),B及びCと共謀の上,平成25年2月22日午前6時54分頃,同県柏市内の駐車場において,普通乗用自動車1台(時価約65万6000円相当)を窃取し,被告人が同所から同車を運転走行した際,前方に立ち塞がった同車の所有者である被害者(当時31歳)に対し,同車を取り返されることを防ぐとともに,逮捕を免れるため,殺意をもって,同車を前進させて同人に衝突させてボンネットの上に乗り上げさせ,さらに,同車を加速し,急制動を掛けて,同人をボンネット上から路上に放出する暴行を加えてその後頭部等を路面に衝突させ,よって,同人を頸髄損傷により死亡させて殺害したが,その際,共犯者らは,窃盗の犯意を有するにとどまっていた(同第3。以下,原判決に倣い「第2事件」ということがある。),同市内の路上において,被害者(当時61歳)に対し,その顔面を拳で殴って後方に頭から転倒させ,上半身を起こした同人の顔面を足で蹴る暴行を加え,よって,同人に全治約1か月を要する鼻骨骨折等の傷害を負わせた(同第4),当時の被告人方において,覚せい剤を自己使用した(同第5),というものである

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/410/089410_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89410

Read More