【知財(不正競争):損害賠償等請求控訴事件/知財高裁/令2 1・31/令1(ネ)10044】

本件は,被控訴人が,被控訴人の元社員である控訴人が,被控訴人の保有する営業秘密である電磁鋼板に係る原判決別紙2営業秘密目録記載の技術情報(以下「本件技術情報」と総称し,そのうちの各技術情報を同目録記載の頭書の番号に従って「本件技術情報1」などという。)を取得し,これを株式會社ポスコ(以下「POSCO」という。)に対し開示した行為が不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項4号又は7号の不正競争(営業秘密の不正取得又は不正開示)に当たる旨主張して,控訴人に対し,同法3条1項に基づき,本件技術情報の使用及び開示の差止めを,同条2項に基づき,本件技術情報を記録した電子ファイル及び同電子ファイルが保存された媒体の廃棄を,同法4条に基づく損害賠償として,10億2300万円及びこれに対する不正競争の後である平成24年4月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原判決は,本件技術情報は同法2条6項の「営業秘密」に該当すると認定した上で,控訴人が平成17年8月頃から平成19年5月頃にかけて不正の利益を得る目的で本件技術情報をPOSCOに対し開示した行為が同条1項7号の不正競争に当たる旨認定判断し,被控訴人の請求をいずれも認容した。 控訴人が原判決を不服として本件控訴を提起した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/431/089431_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89431