【下級裁判所事件:東京高裁平30・3・14:/平24(ネ)8328】
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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/164/088164_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88164
高等裁判所の裁判例
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http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88164
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判示事項(by裁判所):
1検察官から開示された証拠である写真の複製等をインターネット上の動画サイトに掲載した行為に刑事訴訟法281条の5第1項を適用して処罰することが,憲法21条1項に反しないとされた事例
2刑事訴訟法281条の4第1項にいう被告事件の審理の準備に使用する目的の意義
3被告事件における証拠等の問題点を指摘して一般の支援を求めて行った上記掲載行為が,刑事訴訟法281条の5第1項に該当するとされた事例
要旨(by裁判所):
1公務執行妨害,傷害被告事件で公訴提起された被告人が,検察官において当該被告事件の審理の準備のために謄写の機会を与えた証拠である実況見分調書貼付の写真に係る複製等をインターネット上の動画投稿サイトに掲載した行為(以下「本件掲載行為」という)に刑事訴訟法281条の5第1項を適用して処罰することは,本件掲載行為の目的,態様等(判文参照)に照らして,必要かつ合理的でやむを得ないものといえるから,憲法21条1項に反しない。
2刑事訴訟法281条の4第1項にいう当該被告事件の審理の準備に使用する目的とは,被告人及び弁護人が,当該被告事件において,検察官手持ち証拠の内容を把握し,その証拠能力,証明力等を検討して検察官の主張立証に対する反論反証の準備を行い,開示証拠を契機として被告人に有利な主張立証を準備する目的をいう。
3被告人が当該被告事件における証拠等の問題点を指摘して一般の支援を求めて本件掲載行為を行うことは,当該被告事件の審理の準備に使用する目的による使用には当たらず,刑事訴訟法281条の5第1項に該当する。
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判示事項(by裁判所):
1壁面に吹き付けられたアスベストが露出している建物が遅くとも昭和63年2月頃には通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになったとされた事例
2壁面に吹き付けられたアスベストが露出している建物の所有者兼賃貸人が民法717条1項にいう「占有者」に当たるとされた事例
要旨(by裁判所):
1壁面に吹き付けられたアスベストが露出している建物で昭和45年から平成14年まで勤務していた者が勤務中にアスベスト粉じんにばく露したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患した場合において,昭和62年中に全国紙が相次いで吹付けアスベストの危険性を報道し,これに呼応して各地で吹付けアスベストの除去工事が行われるようになったこと,建設省が同年11月に建築基準法令の耐火構造の指定から吹付けアスベストを削除したこと,環境庁・厚生省が昭和63年2月に都道府県に対し,吹付けアスベストの危険性を公式に認め,建物所有者への指導を求める通知を発したことその他判示の事実関係の下においては,遅くとも上記通知が発せられた昭和63年2月頃の時点では,上記建物は通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになった。
2壁面に吹き付けられたアスベストが露出している建物の賃借人の従業員として同建物で勤務していた者が勤務中にアスベスト粉じんにばく露したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患した場合において,同建物の所有者兼賃貸人が,賃貸借契約において,管理上必要があるときに同建物に立ち入り,必要な措置を執る権限を認められる一方,同建物の維持管理に必要な修繕義務を負っていたことその他判示の事実関係の下においては,所有者兼賃貸人は,賃借人の従業員に対する関係において,民法717条1項に基づく責任を負うべき同建物の「占有者」に当たる。
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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/413/084413_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=84413
判示事項(by裁判所):
対面信号機の赤色表示を認識した時点では交差点手前の停止位置で停止できない場合において,刑法208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」に該当するとされた事例
要旨(by裁判所):
大型貨物自動車を運転して信号機により交通整理の行われている丁字路交差点(以下「本件交差点」という。)を直進しようとして,時速約60の速度で本件交差点に進入した場合において,被告人が,本件交差点の出口に設置された横断歩道及び自転車横断帯(以下「本件横断歩道等」という。)から約87.3メートル手前の地点で赤色信号を認識し,同地点で直ちにブレーキをかければ,本件交差点入口の停止線を越えたとしても本件横断歩道等の手前で停止することができ,これによって本件交差点内での事故発生などの危険が生じる可能性はまずなく,かつ本件交差点での衝突事故を回避できる状況にあるにもかかわらず,黄色信号を認識した時点で一旦アクセルから足を離したものの,赤色信号を認識して排気ブレーキを解除し,減速することもなくあえて従前の速度のまま進行したときは,およそ赤色信号に従う意思がなく,赤色信号を殊更に無視したものと評価すべきである。
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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/412/084412_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=84412
判示事項(by裁判所):
税関職員が犯則事件の調査において作成した書面と刑訴法321条3項
要旨(by裁判所):
税関職員が犯則事件の調査において作成した書面は,検証の結果を記載した書面と性質が同じであると認められる限り,刑訴法321条3項所定の書面に含まれる。
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http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=84411
判示事項(by裁判所):
海洋法に関する国際連合条約(平成8年条約第6号)105条後段の趣旨
要旨(by裁判所):
「(海賊船舶等の)拿捕を行った国の裁判所は,科すべき刑罰を決定することができる。」と定める海洋法に関する国際連合条約105条は,海賊行為については,国際法上,いずれの国も管轄権を有することを前提とした上で,拿捕国が利害関係国その他第三国に対して優先的に管轄権を行使することができることを規定したものである。
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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140515144946.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84188&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」(平成6年条約第15号)の「農業に関する協定」4条2項と我が国の豚肉の差額関税制度の関係
要旨(by裁判所):
「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」(平成6年条約第15号)の「農業に関する協定」4条2項は,国内の裁判規範として直接適用されるものではなく,我が国の豚肉の差額関税制度を直ちに無効ならしめるものではない。
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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140515112812.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84185&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
地方検察庁の幹部検察官2人が,共謀の上,職務に関して証拠を隠滅した犯人である部下の検察官を隠避したと認められた事例
要旨(by裁判所):
部下である検察官がその職務に関して証拠隠滅罪を犯したことを覚知した地方検察庁の幹部検察官2人が,その犯行を知った他の部下検察官らから上司への報告を求められたなどの本件事実関係の下において,共同して,上司や上級庁に対しては,犯人の証拠隠滅に関する嫌疑を抱かせないための工作を行うとともに,同検察庁の内部及び部下の検察官らに対しては,当該嫌疑に関する情報を管理し,捜査に向けた動きを封じる工作を行ったことは,全体として,刑法103条にいう犯人隠避罪に当たる。
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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140220102148.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83960&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
殺害された被害者が1名の強盗殺人等の事案につき,被告人が短期間に強盗致傷や強盗強姦という重大事件を複数回犯したことなどの事情を考慮して被告人を死刑に処した原判決が量刑不当として破棄された事例
要旨(by裁判所):
被告人は,強盗殺人等の事件のほか強盗致傷や強盗強姦等を犯したものであるが,量刑判断の中心となる強盗殺人等の事件について,殺害態様が執拗で冷酷非情であり放火も危険性の高い悪質な犯行であること,結果も重大であることを十分に考慮しても,殺害された被害者が1名であり殺害行為に計画性を認めることができないことを踏まえると,死刑を選択することが真にやむを得ないとはいえず,被告人が短期間に強盗致傷や強盗強姦という重大事件を複数回犯したことや粗暴な性格傾向が著しいことなどの原判決が指摘する特有の事情に関しても,本件強盗殺人等の事件以外には前科も含めて殺意を伴う犯行はなく,法定刑に死刑が含まれる多くの犯罪にみられるような人の生命を奪って自己の利欲等の目的を達成しようとした犯行ではないことなどを考慮すると,上記特有の事情があることを理由として死刑を選択し得るとした原判決の判断は合理性のある評価とはいえず,無期懲役刑と死刑という質的に異なる刑の選択に誤りがある。
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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140220090751.pdf
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http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83958&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
1税関長の許可を受けないでダイヤモンド原石を輸入する意思で禁制品である覚せい剤を輸入しようとした場合の罪責
2禁制品である覚せい剤の輸入(未遂)の公訴事実について,訴因変更手続を経ることなく,ダイヤモンド原石の無許可輸入(未遂)の事実を認定した原審の訴訟手続に法令違反はないとした事例
要旨(by裁判所):
1税関長の許可を受けないでダイヤモンド原石を輸入する意思で禁制品である覚せい剤を輸入しようとした場合には,関税法111条の貨物の無許可輸入罪(未遂)が成立する。
2覚せい剤の輸入罪と貨物の無許可輸入罪の犯罪構成要件は後者の限度で重なり合っているから,原則として訴因変更は要しないものと解され,また,被告人自身がダイヤモンド原石を密輸入する意思であった旨明確に供述しているなどの訴訟経緯(判文参照)に鑑みれば,本件において無許可輸入罪(未遂)を認定することが被告人の防御の利益を損なうものではなく,禁制品である覚せい剤の輸入(未遂)の公訴事実について,訴因変更手続を経ることなく,ダイヤモンド原石の無許可輸入(未遂)の事実を認定した原審の訴訟手続に法令違反はない。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140219141251.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83957&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
1金融機関における暴力団員等の反社会的勢力との取引拒絶規定と憲法22条1項等
2暴力団員が金融機関の係員に対し自己が反社会的勢力ではない旨の表明・確約をして預金口座の開設等を申し込み預金通帳の交付を受ける行為が,詐欺罪に当たるとされた事例
要旨(by裁判所):
1金融機関における普通預金規定中の,預金者が暴力団員等の反社会的勢力に該当する場合には預金口座の開設を拒絶し,既存の預金口座は解約することができる旨の取引拒絶規定は,憲法22条1項を始めとする憲法の趣旨に反しない。
2暴力団員が,金融機関の係員に対し,自己が反社会的勢力ではない旨の表明・確約をして預金口座の開設等を申し込み,預金通帳の交付を受ける行為は,当該金融機関の普通預金規定の中に,預金者が暴力団員等の反社会的勢力に該当する場合には預金口座の開設を拒絶し,既存の預金口座は解約することができる旨の取引拒絶規定があるなどの本件事実関係の下では,刑法246条1項の詐欺罪に当たる。
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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140219100258.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83955&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
被害者1名の強盗殺人の事案につき二人を殺害するなどした前科を重視して被告人を死刑に処した原判決が量刑不当として破棄された事例
要旨(by裁判所):
金品を強奪する目的で,被害者方へ侵入し,室内で寝ていた被害者の首を包丁で突き刺して殺害した被告人の犯行は,強固な殺意に基づく冷酷非情なものであるが,妻子二人を殺害して懲役20年に処せられた前科を除けば,被害者が1名であり,被害者方への侵入時には殺意があったとは確定できない本件が,死刑を選択するのが相当な事案とはいい難く,被告人の前科は無期懲役刑に準ずるような相当長期の有期懲役刑で,被告人はその刑の執行を終了しており,前科の事案が夫婦間の口論の末の殺人とそれを原因とする無理心中であって利欲目的の本件強盗殺人とは社会的にみて類似性は認められないことなどを考えると,一般情状である前科を重視して死刑を選択することには疑問があり,原判決には人の生命を奪った前科があることを過度に重視しすぎた結果,死刑の選択もやむを得ないとした誤りがある。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140219092054.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83954&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
強盗殺人及び死体遺棄の事案において死体の運搬保管を引き受けてこれを実行した者について強盗殺人の共謀共同正犯の成立が否定された事例
要旨(by裁判所):
3名に対する強盗殺人及び死体遺棄の事案において,強盗殺人の計画を知りつつ共犯者らの依頼により報酬を得て死体を運搬することを引き受け,これを実行した被告人について,被告人が,報酬が強盗殺人の犯行により得た現金の中から支払われる可能性が相当程度あることを認識しており,屈強な被害者を殺害するために睡眠導入剤の使用を勧めてこれを提供したなどの事実があっても,被告人は依頼どおりの行動に終始したという共謀を否定する方向の事情(判文参照)を考慮すると,被告人が強盗殺人まで自己の犯罪として犯したといえる程度にその遂行に重要な役割を果たしたとはいえず,各強盗殺人の共謀共同正犯の成立は認められない。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131114133641.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83730&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
1刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」の意義
2サーバコンピュータからのダウンロードという顧客らの行為を介してわいせつな動画等のデータファイルを顧客らのパソコン等の記録媒体上に取得させる行為と刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の頒布
要旨(by裁判所):
1刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」とは,不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を取得させることをいう。
2サーバコンピュータからダウンロードするという顧客らの行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを顧客らのパソコン等の記録媒体上に取得させる行為は,刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」に当たる。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130807152342.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83473&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
1 刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」の意義
2 サーバコンピュータからのダウンロードという顧客らの行為を介してわいせつな動画等のデータファイルを顧客らのパソコン等の記録媒体上に取得させる行為と刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の頒布
要旨(by裁判所):
1 刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」とは,不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を取得させることをいう。
2 サーバコンピュータからダウンロードするという顧客らの行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを顧客らのパソコン等の記録媒体上に取得させる行為は,刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」に当たる。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130807152342.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83473&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
刑法208条の2第2項前段にいう「人又は車の通行を妨害する目的」が肯定された事例
要旨(by裁判所):
パトカーの追跡をかわすことが主たる目的であっても,反対車線の車両が間近に接近してきており,そのままの状態で走行を続ければ対向する車両の通行を妨害することになるのが確実であることを認識しながら,先行車両を追い抜こうとして車体の半分を反対車線に進出させた状態で走行を続けた場合には,刑法208条の2第2項にいう「人又は車の通行を妨害する目的」が肯定される。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130807144306.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83472&hanreiKbn=03
判示事項(by裁判所):
恐喝の共同正犯として送致された少年に対し送致事実に記載されていない事実を幇助行為と認定した審判手続が違法とされた事例
要旨(by裁判所):
恐喝の共同正犯として送致された少年に対し,恐喝幇助の非行事実を認定するに際し,少年らが被害者を4人で取り囲んだとの事実は,送致事実に記載されておらず,関係証拠中にも被害者の供述調書にその趣旨の供述が記載されているにすぎないにもかかわらず,少年及び付添人に対して,同事実を告知し,同事実につき陳述する機会を与えるなどの措置を講じないまま,同事実を少年の幇助行為と認定した審判手続は,適正手続の要請に反し,少年審判規則29条の2の趣旨にも反して違法である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130807141934.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83471&hanreiKbn=03
結論(by Bot):
以上によれば,本件再審請求は,刑訴法435条6号所定の有罪の言い渡しを受けた者に対して無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあらたに発見したときに該当する。よって,刑訴法448条1項,435条6号により本件について再審を開始し,同法448条2項を適用して請求人に対する刑の執行を停止することとして,主文のとおり決定する。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130701094016.pdf
裁判所の判断(by Bot):
以上のとおり,原判決は,そもそも被告人両名がいずれも詐欺罪にいう人を欺く行為つまり欺罔行為をしたとは認められないと判断して,被告人両名を無罪としたものである。ところで,本件各公訴事実記載の欺罔行為は,いずれも要するに,被告人両名が,共謀の上,それぞれ,携帯電話機販売店である株式会社Y新宿店(携帯音声通信事業者であるZ株式会社の代理店の立場にあることが関係証拠により認められる。)の店長a(a店長)に対し,本当は,あらかじめ携帯音声通信事業者であるZ株式会社の承諾を得ないで,交付されるプリペイド式携帯電話機を第三者に譲渡する意図(要するに,第三者に無断譲渡する意図)であるのにこれを秘し,交付されるプリペイド式携帯電話機を自ら利用するように装って,自己を契約者とする(携帯音声)通信サービス契約(携帯音声通信サービスすなわち携帯音声通信役務の提供を内容とする契約)の締結及びプリペイド式携帯電話機の購入を申し込み,もって人を欺いて財物(プリペイド式携帯電話機)を交付させようとした,というものである。これに対して,原判決は,前述した理由により被告人両名がいずれもこの欺罔行為をしたとは認められないと判断したのであるが,この原判決の判断は経験則等に照らして不合理といわざるを得ず,是認できない。以下,説明する。
ア 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名義で携帯電話機を購入することの法的な意味合いについて
原判決は,プリペイド式携帯電話機を契約者本人が利用すべきことは,契約上も法令上も当然の前提として要請されているとは到底いえない旨を説示しているので,この点に鑑み,まず,第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名義で携帯電話機を購入することの法的な意味合いについて検討しておくことにする。
(ア)携帯電話不正利用防止法は,プリペイド式携帯電話機を含めた携帯電話機の不正利用(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130628164542.pdf