【高裁判例:東京高裁3刑平26・12・12:刑事訴訟法違反被 事件/平26(う)698】結果:棄却

判示事項(by裁判所):
1検察官から開示された証拠である写真の複製等をインターネット上の動画サイトに掲載した行為に刑事訴訟法281条の5第1項を適用して処罰することが,憲法21条1項に反しないとされた事例
2刑事訴訟法281条の4第1項にいう被告事件の審理の準備に使用する目的の意義
3被告事件における証拠等の問題点を指摘して一般の支援を求めて行った上記掲載行為が,刑事訴訟法281条の5第1項に該当するとされた事例

要旨(by裁判所):
1公務執行妨害,傷害被告事件で公訴提起された被告人が,検察官において当該被告事件の審理の準備のために謄写の機会を与えた証拠である実況見分調書貼付の写真に係る複製等をインターネット上の動画投稿サイトに掲載した行為(以下「本件掲載行為」という)に刑事訴訟法281条の5第1項を適用して処罰することは,本件掲載行為の目的,態様等(判文参照)に照らして,必要かつ合理的でやむを得ないものといえるから,憲法21条1項に反しない。
2刑事訴訟法281条の4第1項にいう当該被告事件の審理の準備に使用する目的とは,被告人及び弁護人が,当該被告事件において,検察官手持ち証拠の内容を把握し,その証拠能力,証明力等を検討して検察官の主張立証に対する反論反証の準備を行い,開示証拠を契機として被告人に有利な主張立証を準備する目的をいう。
3被告人が当該被告事件における証拠等の問題点を指摘して一般の支援を求めて本件掲載行為を行うことは,当該被告事件の審理の準備に使用する目的による使用には当たらず,刑事訴訟法281条の5第1項に該当する。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/097/085097_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=85097