【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平24・7・19/平23(行ケ)10394】原告:(株)巴川製紙所/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
当裁判所は,原告主張の取消事由にはいずれも理由がなく,請求を棄却すべきものと判断する。
1取消事由1(引用発明1の認定の誤りによる一致点の認定の誤り)について
原告は,引用発明1では,ドクター刃12が傾動しても,その先端縁は版胴1に対して接近離間しないから,審決の,「上記ドクター刃12は,その先端縁が上記版胴1に対して接近離間するようにドクター刃支持部13によって角度調節可能に支持され,」との認定は誤りであると主張する。そこで,以下,引用文献1の記載事項(後記(1))に基づき,引用発明1の構成を特定した上(後記(2)),審決の認定について検討する(後記(3))。
(1)引用文献1の記載事項
引用文献1には,次の記載がある(下線は引用者)。
ア 第2欄12行目から20行目まで「この発明の主たる目的はドクターの上下調整を不要にする事である。そのため,この発明を適用するグラビア輪転印刷機のドクター修正機構は,円弧軌道つき左右案内板14,14に係合したドクター刃支持部13が,版胴1に接するドクター刃12先端を中心として旋回するようにしたドクター角度調節機構及びその調節機構全体を版胴上部へ向けて水平に前後進させる機構だけ有すればよい。」
イ 第3欄26行目から第4欄12行目まで
「次に,ドクター装置について説明する。このドクター装置は原則として上下調節機構を要しない。ドクター刃12の前後進と,その角度調節機構だけである。即ちドクター刃12の支持部13は左右の案内板14,14に可動的に係合し,案内板14,14は夫々,下端を受台21に軸支され流体圧シリンダ22により起立させられ,稼動時は版胴1側へ加圧される。この受台21は摺動台23上を前後調整ハンドル24とそのネジ棒により前後動する。また左右の摺動台23は連結材25により一体化され,揺動装置26により稼動中,左右(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120720111848.pdf



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