【商標権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平24・7・26/平23(行ケ)10404】原告:スリーエムカンパニー/被告:サンエムズ(株)

裁判所の判断(by Bot):
当裁判所は,本件商標は商標法4条1項15号に該当するものであり,これと異なる判断をした審決は取り消されるべきであると判断する。その理由は,以下のとおりである。
1 本件商標と引用商標の対比
(1)本件商標
本件商標は,別紙登録商標目録記載のとおりであり,「3ms」の数字及び欧文字を右方向に傾斜させて横書きしたものである。いずれも太めの文字で,文字の大きさも同一であり,「m」と「s」は,離隔することなく,繋げて表記されている。本件商標からは,「スリーエムズ」,「スリーエムエス」,「サンエムズ」又は「サンエムエス」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(2)引用商標1
引用商標1は,別紙引用商標目録記載のとおりであり,「3M」を太いゴシック体により横書きして表記された商標である。「3」と「M」とは,2箇所で接するよう表記されている。引用商標1は,上記のとおりの外観を呈し,専ら「スリーエム」の称呼を生じ,格別の観念は生じない(なお,付言すると,「3M」から「3番目の自然数3と1
83番目のアルファベットであるMとの順列ないし組合せ」との観念を生じるとの解釈があり得ないではないが,数字やアルファベットは,情報等を伝えるための記号(手段)にすぎず,それだけでは特定の意味を有するものではないから,特定の数字,文字のみを指すことをもって,「観念」が生じたと解することは相当でない。)。
(3)類否についての判断
ア 称呼,外観及び観念について
本件商標からは,「スリーエムズ」,「スリーエムエス」,「サンエムズ」又は「サンエムエス」の各称呼が生じ,引用商標1からは,「スリーエム」の称呼が生じる。本件商標から生じ得る「スリーエムズ」の称呼は,引用商標1の「スリーエム」の称呼の末尾に「ズ」の1音が加わっているだけであり,本件商標の「スリーエムズ」の称呼と引用商標1の「スリーエム」の称(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120727160301.pdf



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