事案の概要(by Bot):
本件は,特許出願に対する拒絶査定に係る不服の審判請求について,特許庁がした請求不成立の審決の取消訴訟である。争点は,明確性要件違反の有無と補正要件違反の有無である。
1 特許庁における手続の経緯
原告は,平成18年6月30日,名称を「歯科治療においてあらゆる下顎位の再現を迅速にかつ正確に,上下顎模型を咬合器にマウントし,其の時の下顎顆頭にあたるコンダイルの位置を記録する事によって,歯科治療に役立つ事の出来る咬合器とフェイス・ボウ。」とする発明について特許出願(特願2006−180927号,請求項の数3)をし,平成21年5月22日付けで明細書及び図面の補正をし,平成21年6月17日付けの拒絶理由通知に対して,平成21年8月24日付けで特許請求の範囲及び明細書の補正をしたが,平成22年1月20日付けで拒絶査定を受けたので,平成22年4月28日,拒絶査定に対する不服審判請求をした(不服2010−9158号)。特許庁は,平成23年2月8日,上記審判請求につき「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は平成23年2月27日,原告に送達された。
2 平成21年8月24日付け補正による特許請求の範囲の請求項1の記載
【請求項1】歯科治療を行う時上下顎の石膏模型や義歯等を咬合器にマウントしなければいけませんが,其のとき上下,左右,前後の位置,又咬合平面の角度を手早く調整すること。
3 審決の理由の要点
(1)特許法36条6項2号について
本願明細書には,下顎の位置や咬合平面の変化に対応するとの課題のもとに,その課題を解決するための手段として,咬合器の具体的構造やそれを用いた作業手順を定めることにより,時間と精密度を改善することができ,下顎の位置や咬合平面の変化に対応できる等の効果を奏する発明が記載されている。これに対し,請求項1の「歯科治療を行う時上下顎の石膏模型(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111115155239.pdf
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