【下級裁判所事件:殺人,死体遺棄,保護責任者遺棄致死被告事件/旭川地裁/平23・10・27/平23(わ)72等】

主文(by Bot):
被告人を懲役17年に処する。未決勾留日数中70日をその刑に算入する。

理由

(犯罪事実等)
第1 被告人の実母であるAは,認知症を患っており,平成17年11月から,被告人が保証人となって旭川市ab丁目c番d号高齢者等共同住宅Rに入居していた。被告人は,その間も,多額の借金を重ね,その返済も困難となり,いずれ自宅に設定された抵当権が実行されかねない状況になったため,平成23年1月ころには,Aの年金等で支払われていたRの賃料等を節約し,自己の借金返済などにあてるため,AをRから連れ出そうと考えた。
 被告人は,平成23年1月24日午後1時ころ,R職員に対し,A(当時**歳)を1泊の予定で外泊させるなどと嘘を言って施設から連れ出し,同市ef条g丁目h番i号被告人方車庫(暖房もなく外気も入り込む車庫である。)まで連れ帰ったが,同時刻ころの屋外の気温が摂氏マイナス3.4度であり,翌朝にかけて更に気温が下がるものと予想されたのであるから,Aを被告人方居宅内に入れるなどしてその生存に必要な保護をすべき責任を負っていたにもかかわらず,認知症により暴言等に及ぶおそれのあるAを被告人方居宅内に入れることは家族に反対されるなどと考え,Aを被告人方居宅内に入れることなく,同月24日午後1時ころから同月25日午前7時ころまでの間,車庫内に駐車した自動車内に,動きが取りづらい体勢でAを寝かせるなどしたまま,エンジンを切って暖房を止め,車の鍵をかけ,そのままAを置き去りにして遺棄し,よって,そのころ,低温となった同車庫内において,Aを凍死させた。
第2 被告人は,Aの死体を葬祭しなければならない義務があったのに,同日午前7時ころから同年4月1日午後7時15分ころまでの間,同車庫内において,その死体を毛布でくるんだ上からケーブルを巻き付けて縛り,その頭部をビニール袋に入れ,さらに,その死体の上に(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111206114751.pdf



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