【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平23・5・30/平22(行ケ)10271】原告:TOTO(株)/被告:コーラー,カンパニー

裁判所の判断(by Bot):
審決は,①甲1には,S9の封水給水時間が経過する前に使用者が操作部16のスイッチを操作した場合に,ポンプの作動が防止されることは記載されておらず,封水給水時間が経過する前に使用者がスイッチを操作した場合,洗浄サイクルがリセットされることも考えられること,したがって,②本件発明1と甲1発明とは,本件発明1では,自動制御手段が「ポンプの最後の動作後一定の遅延時間前に前記ポンプ(18)が作動するのを防止する時間遅延手段」を有しているのに対し,甲1発明では,このような時間遅延手段を有していない点において相違すること(相違点1),を認定した。
しかし,審決の上記認定には,誤りがある。その理由は,以下のとおりである。
ア 本件発明1の内容
特許請求の範囲の請求項1には,「時間遅延手段」は,「前記制御手段(80)は前記ポンプの最後の動作後一定の遅延時間前に前記ポンプ(18)が作動するのを防止する」と記載されている。しかし,同記載部分の技術的意義は必ずしも明確ではない。そこで,本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0010】,【0013】,【0034】ないし【0037】の記載及び図15,16を参酌すると,「前記制御手段(80)は前記ポンプの最後の動作後一定の遅延時間前に前記ポンプ(18)が作動するのを防止する」「時間遅延手段」との構成部分は,タンクに洗浄水を再充てんするため,フラッシュタイマの働きにより,少なくとも次のフラッシュまでに30秒の後れを設定し,その間,ポンプの動作を停止する技術を含むと理解できる。
イ 甲1発明の内容
他方,甲1の段落【0012】ないし【0015】の記載及び図3(別紙2)には,以下のとおりの記載がある。すなわち,操作部16から洗浄起動入力が与えられると,タイマ15dが起動し(S1),タイマ15dの計時は,一連の洗浄動作の完了まで行なわれるが,その間(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110530170444.pdf



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