【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平23・1・31/平22(行ケ)10260】原告:X/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
1取消事由1(引用発明の認定等の誤り)について
当裁判所は,引用発明における「ほぼ220℃に温められた燃料蒸気/水蒸気一混合物」が,本願補正発明における「液体燃料及び液体ガス燃料に熱を加え高温の蒸気状にしたもの」に相当するとした上で,本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点を認定した審決に,引用発明の認定等についての誤りはないと判断する。
(1)引用発明の「ほぼ220℃に温められた燃料蒸気/水蒸気−混合物」について
ア 引用文献の記載
引用文献には,「燃料蒸気/水蒸気―混合物」に関し,次の記載がある。
「2.特許請求の範囲
(1)燃焼空気の吸入後動力用燃料をピストンエンジンのシリンダ室に供給する方
法において,上部のピストン死点に到達する前に,前に圧縮された燃焼空気に燃料蒸気/水蒸気−混合物を導入することを特徴とする方法。
(2)・・・
(3)燃料蒸気/水蒸気−混合物が,1:1から3:1までの水蒸気対燃料蒸気の量の比を有することを特徴とする,請求項1または2に記載の方法。
(4)燃料蒸気/水蒸気−混合物を,燃料蒸気/水蒸気−混合物の燃料の露点温度より上の温度で導入することを特徴とする,請求項1から請求項3までのうちのいずれか一つに記載の方法。」
「実施例では,燃料蒸気/水蒸気−混合物が燃焼行程の終わり(判決注:「圧縮行程の終わり」の誤記であると認める。)に上部死点の近くでシリンダ室14に入るように入口弁10が制御される。燃料蒸気/水蒸気−混合物は,ほぼ220℃に温められた燃料蒸気/水蒸気−混合物でほぼ毎秒440メートルになる音速で吹き入れられる。このために必要な混合導管9内の圧力は流体ポンプ15,16により発生されるが,これらの流体ポンプのうち,一方では液体状燃料を燃焼ポンプ15(判決注:「燃料ポンプ15」の誤記であると認める。)が,他方では水を水ポンプ16(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110201093821.pdf



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ブログ:平成22(行ケ)10260 審決取消請求事件 特許権「直噴エンジン」 -特許実務日記 (2011.2.7)
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