【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・4・24/平24(行ケ)10428】原告:X/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
ア上記(1)認定の事実によれば,引用例1には,技術の解決課題,課題解決手段,実施例及びその効果が記載されており,これを参照すれば,当業者は,当該技術の目的,構成,作用等を十分理解することができるものと認められるから,引用例1記載の技術が,特許法29条1項各号所定の発明に当たらないとか,発明として未完成であるということはできない。
イ原告の主張に対し
(ア)原告は,ラケット打球面を反転後,各指が,次に打球できる位置・状態に戻って備える必要があるところ,引用例1には,ラケット打球面を反転後,3本指(親指,人差指,中指)による反転過程と,その後の指位置と状態遷移について記載されていない旨主張する。
しかし,ラケット打球面を反転した後,次に打球を打ち返せるように手指で保持されることになるのは当然のことであって,その際,中指上でラケットが反転されることは,当業者であれば容易に理解できる。また,上記(1)認定のとおり,引用例1記載の技術は,初級者でも簡単にラケットを反転させることのできるグリップを提供することを目的とするから,引用例1に,ラケット打球面の反転後の指等の動きが詳細に説明されていないとしても,引用例1記載の技術が,特許法29条1項各号所定の発明に当たらないとか,発明として未完成であるとはいえない。
(イ)また,原告は,引用例1記載の技術では,突起や凹凸が多く,グリップが転がり難い,ラケットを反転後,元の位置に戻す際にラケットが落下する,3本指でグリップを握るため不安定な状態になるということがあるが,これらについて,引用例1には記載がない旨主張する。しかし,原告が指摘する点は,いずれも引用例1記載の技術の有用性の問題であって,仮に,引用例1記載の技術に原告主張のような問題点があるとしても,だからといって,引用例1の記載が不明確である,引用例1記(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130508112725.pdf



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