裁判所の判断(by Bot):
1 争点1及び2については,原判決23頁11行目から26頁3行目までを引用する。
2 争点3(本件被告製品は構成要件cを充足するか)について
(1)1審原告の立証方法
ア 争点2について判断したとおり,構成要件cの「重量比」は,塗布液乾燥後の隠蔽層における重量比を意味するものと解すべきであるが,本件被告製品においては,塗布液乾燥後の隠蔽層におけるA成分とB成分の重量比は,塗布液における固形分の重量比と一致するものといえるから,乾燥後の隠蔽層を構成する組成物のA/B比又は乾燥前の塗布液を構成する配合物の固形分のA/B比が1
-20-から3の範囲内であれば,構成要件cを充足することになる。
イ 1審原告は,塗布液乾燥後の隠蔽層を構成する組成物のA/B比が1から3の範囲内であることの立証として,(a)乙53物件を標準物質としてATR法による定量分析を行った。他方,1審被告らは,乾燥前の塗布液を構成する配合物の固形分のA/B比が1から3の範囲内でないとして,本件被告製品の加工管理表等を提出した。これに対し,1審原告は,(b)本件被告製品の隠蔽層のIRと全領域で一致する製品(加工管理表記載の薬品配合割合にSBRとカゼインを追加した模擬品)の塗布液の配合薬品の固形分からA/B比を求めた。1審原告は,当審で,上記(b)の方法が最も合理的な分析方法であると主張している。
ウ なお,上記(a)において標準物質とされた乙53物件は,イ号物件に係る特許権仮処分異議申立事件において,1審被告リンテックがイ号物件とは異なる製品であるとして提出した製品(イ号事件の乙53)であり,その一部は,ロ号事件の証拠として裁判所に提出され(裁判所保管乙53物件),他の一部は,1審原告が保管している(原告保管乙53物件)。ロ号事件において,1審被告リンテックは,ロ号物件の隠蔽層の薬品配合割合について,①ス(以下略)