裁判所の判断(by Bot):
1 争点1(複製権侵害の成否)について
(1)認定事実
前記第2の3の前提となる事実及び証拠並びに弁論の全趣旨によると,次の事実を認めることができる。
ア 亡Aは著名な女流画家であり,本件各絵画は亡Aが制作した同人の著作物である。
イ 本件各絵画は,題名がいずれも「花」であり,画面の大きさは,本件絵画1につき縦33.2㎝×横24.4㎝(面積810.08□),本件絵画2につき縦41.0㎝×横31.9㎝(面積1307.9□)である。
ウ 本件鑑定証書1は,本件絵画1の所有者である美術商からの依頼に基づき,平成17年4月25日付けの控訴人鑑定委員会委員長名義で,本件絵画1に係る「作品題名」,「作家名」,「寸法」等が記載されたホログラムシールを貼付した鑑定証書(鑑定証書番号005-0495)と,その裏面に本件コピー1(画面の大きさが縦16.2㎝×横11.9㎝。面積192.78□であって,原画である本件絵画1の面積の約23.8%)を添付した上で,パウチラミネート加工されて製作されたものである。本件コピー1は,本件絵画1を写真撮影・現像した上で,プリントされた写真をカラーコピーして作製されたものである。
エ 本件鑑定証書2は,本件絵画2の所有者から委任を受けた美術商からの依頼に基づき,平成20年6月25日付けの控訴人鑑定委員会委員長名義で,本件絵画2に係る「作品題名」,「作家名」,「寸法」等が記載されたホログラムシールを貼付した鑑定証書(鑑定証書番号008-0923)と,その裏面に本件コピー2(画面の大きさが縦15.2㎝×横12.0㎝。面積182.4□であって,原画である本件絵画2の面積の約13.9%)を添付した上で,パウチラミネート加工されて製作されたものである。本件コピー2は,本件絵画2を写真撮影・現像した上で,プリントされた写真をカラーコピーして作製されたもので(以下略)
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