【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・7・8/平24(行ケ)10294】原告:第一精工(株)/被告:TOWA(株)

裁判所の判断(by Bot):
 当裁判所は,原告の各取消事由の主張にはいずれも理由がなく,その他,審決にはこれを取り消すべき違法はないものと判断する。その理由は,以下のとおりである。
1 取消事由1−1関連)について
(1)本件発明について
 本件発明の特許請求の範囲は,前記第2の2に記載のとおりであるところ,これに本件明細書の記載を併せると,おおむね次の内容の事実が認められる。
ア 本件発明は,「例えば,リードフレームに装着したIC,LSI,ダイオード,コンデンサー等の電子部品を樹脂材料によって封止するための樹脂封止成形方法とその樹脂封止成形装置の改良に係り,特に,少量生産及び多量生産に夫々即応できるように改善したものに関する。」
イ 従来,トランスファモールド法によって電子部品を樹脂封止成形することが行われている。この方法には,通常,固定型と可動型とを対向配置した一対の金型と,該金型に配設した樹脂材料供給用のポットと,該ポットに嵌装した樹脂加圧用のプランジャと,上記金型の型面に対設したキャビティと,上記ポットとキャビティとの間に配設した樹脂通路等が備えられている構成を基本構造とする樹脂封止成形装置が用いられている。しかし,この従来装置に装着する金型に多量生産用のものを用いる場合には,次のような問題がある(同【0002】〜【0004】)。
(ア)金型の重量や形状が必然的に大型化されるので,その取扱いが面倒になるのみならず,金型の加工精度を均一に維持することが困難となるため,該金型の各部位において樹脂成形条件が相違することになり,特に,電子部品の樹脂封止成形のように高品質性及び高信頼性を要求される製品の製造に際しては,樹脂封止成形条件の相違に起因して,キャビティ内の樹脂未充填状態が発生したり,樹脂封止成形体の内外部にボイドや欠損部が形成されて製品の品質を著しく低下させるといった樹脂封止成形上(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130716104742.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83404&hanreiKbn=07