【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・7・24/平24(行ケ)10206】原告:遼東化学工業(株)/被告:宇部興産(株)

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,原告主張の取消事由はいずれも理由がないものと判断する。その理由は以下のとおりである。
1取消事由1(新規性についての判断の誤り)について
(1)本件特許発明について
ア本件明細書の記載本件明細書には,以下の記載がある。
(ア)「発明の属する技術分野」の項「本発明は,抗ヒスタミン活性及び抗アレルギー活性が優れている(S)−4−〔4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジノ〕ブタン酸のベンゼンスルホン酸塩及びその製造法に関し,該酸付加塩は吸湿性が少なく,物理化学的安定性に優れているので,医薬品として特に適した化合物である。また,本発明は,これらを有効成分としてなる医薬組成物に関する。」(【0001】)
(イ)「従来の技術」の項「特開平2−25465号公報に記載された,式(?)【化2】(式中,Aは低級アルキル基,ヒドロキシル基,低級アルコキシ基,アミノ基,低級アルキルアミノ基,フェニル基,又は低級アルキル置換フェニル基を表す)で示されるピペリジン誘導体又はその塩は,従来の抗ヒスタミン剤の場合にしばしば見られる中枢神経に対する刺激又は抑圧といった二次的効果が最小限に抑えられるという特徴を有しており,蕁麻疹,湿疹,皮膚炎等のアレルギー性皮膚疾患,アレルギー性鼻炎,感冒等の上気道炎によるくしゃみ,鼻汁,咳嗽,気管支喘息の治療,処理における医薬品として期待されている。しかしながら,このピペリジン誘導体は1個の不斉炭素を有しているものの,光学活性体を単離する本法は,現在まで知られていなかった。」(【0002】〜【0004】)
(ウ)「発明が解決しようとする課題」の項「一般に光学異性体間で薬理活性や安全性が異なり,更に代謝速度,蛋白結合率にも差が生じることが知られている(ファルマシア,25(4),311−336,1989)。したが(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130805102632.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83452&hanreiKbn=07