裁判所の判断(by Bot):
当裁判所は,概要「本件特許の請求項15の抗体に含まれるH鎖は453アミノ酸からなるものであるのに対し,本件処分の対象とされた医薬品オマリズマブ(遺伝子組換え)は,451アミノ酸からなるH鎖(重鎖)を有するヒト化マウス抗体であるから,本件処分の対象とされた医薬品オマリズマブ(遺伝子組換え)は,本件特許の請求項15の発明特定事項の一部を備えていない」との理由のみによって,本件特許の請求項15に係る特許発明の実施に本件処分を受けることが必要であったとはいえないとした審決には,少なくとも,その点については誤りがある,と判断する。その理由は,以下のとおりである。
1 認定事実
(1)本件明細書の記載
本件明細書には,以下の記載がある。
「【発明の詳細な説明】発明の背景この発明は,アミノ酸配列変異体抗IgE抗体およびIgE配列を含有するポリペプチドに関し,とりわけIgEアンタゴニストおよびFcεR?およびFcε13RIIに対して識別結合が可能なポリペプチドに関する。」)「ヒト化抗体とは,非ヒト免疫グロブリンに由来する配列を最小しか含まない免疫グロブリン,免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント(Fv,Fab,Fab’,F(ab’)2または抗体の他の抗原結合配列など)である。大部分においてヒト化抗体はヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり,レシピエントの相補性決定部位(CDR)からの残基が所望の特異性,親和性および能力を有するマウス,ラットやウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基で置換されているものである。」(3頁6欄48行〜4頁7欄7行)「本明細書に用いる免疫グロブリン残基番号はカバット(Kabat)ら(Sequences of Proteins of Immunological Interest(国立衛生研究所(National Institutes of(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131002105019.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83609&hanreiKbn=07