【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・10・10/平25(行ケ)10014】原告:(株)ECI/被告:特許庁長官

事案の概要(by Bot):
 本件は,拒絶査定不服審判請求に対する不成立審決取消訴訟である。争点は,進歩性の判断の当否,明確性の判断の当否である。
なお,以下特許法のことを「法」と表記する。

発明の要旨(By Bot):
本件補正による請求項の記載は以下のとおりである。
【請求項1】放射線照射によりガン局所に炎症を生起させた状態でeMIPを投与することを特徴とするeMIPを有効成分とするガン治療剤。【請求項2】アブスコパル効果を生起させる放射線照射により炎症を生起させた状態でeMIPを投与することを特徴とするeMIPを有効成分とするガン治療剤。」
3 審決の理由の要点
審決は,本願発明は,平成24年8月3日付け拒絶理由通知と同じ理由によって拒絶すべきものと判断した。なお,上記拒絶理由通知においては,?本願発明は,出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明することができたものであるから,法29条2項の規定により特許を受けることができない,?本願発明2の出願は,法36条6項2号に規定する要件を満たしていないことが拒絶理由とされていたが,その概略は次のとおりである。
(1)理由?について
ア 引用発明の認定
 引用文献1(Int.J.RadiationOncologyBio.Phys.,2004,Vol.58,No.3。甲18,乙1)に記載された発明(引用発明)は,「電離放射線によりガン局所に炎症を起こした状態で樹状細胞成長因子Flt3-Lを投与し,アブスコパル効果を生起させることを特徴とする,樹状細胞成長因子Flt3-Lを有効成分とするガン治療剤。」と認定できる。イ本願発明と引用発明との対比・判断本願発明と引用発明は,ガン治療剤の有効成分として,前者は「eMIP」を用いるのに対して,後者は「Flt3-L」を用いる点で,相違する。しかしながら,引用文献2(特開2004-196770号公報。甲19),引用文献3(生化学,2004(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131015093242.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83649&hanreiKbn=07