概要(by Bot):
本件は約4年も前のことであって被告人が本件計算表のことを忘れていたというのもあり得ることなどからすると,被告人が同計算表を残していたことが不自然とはいえない。
4以上によれば,が被告人に本件計算表を渡した理由についての被告人の公判供述は信用できない一方,の証言は十分に信用でき,本件計算表は,被告人が本件に関わったことを前提に,からの申し出を受けて同人らの取り分についてのやり取りがあったこと(従って,被告人は本件の詐取金全体を把握・管理する立場にあったものであること)を有力に裏付ける客観的証拠であるといえ,本件には全く関与していない旨の被告人の公判供述が信用できないのは既に明らかである。そして,被告人が本件保険金詐欺を誘ってきて主導したことを述べる証言の具体的な内容を見ても,おおむね自然で格別怪しむべき点はなく,このことは,上記と同旨を述べる証言についても同様であるし,両証言は,特に本件当日の時間の点を含む事実関係において極めて整合したものとなっており,相互に信用
4性を補強しあっている(なお,は,自分の知っている共犯者の点等で逮捕された直後は事実でない供述をしていたことなどが認められるが,記憶の減退も当然にあり得ることなどからすれば,そのことにより被告人の関与・主導を述べる証言の根幹部分の信用性が揺らぐものではない。また,は,傷害保険の内容の詳細については被告人と詐欺の事情の通じた行政書士に教示を受けた旨証言し,この行政書士はその事実を否定しているところ,そもそもがあえて同行政書士に不利益な証言をするだけの事情等は何ら見当たらない一方,同行政書士が上記事実を矮小化する動機は十分にあることなどからすると,の上記証言の信用性についても格別の疑義はない。)。
5この両証言につき,弁護人は,が被告人に総額約955万円を渡したと証言し,も被告人に総額数百万円を渡した(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131101133421.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83703&hanreiKbn=04