【商標権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・11・27/平25(行ケ)10254】原告:X/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,審決に原告の主張に係る誤りはないとものと判断する。その理由は,以下のとおりである。
1本願商標の構成等について
ア本願商標「お客様第一主義の」(標準文字)は,「お客様第一主義」と「の」の各文字から構成される商標である。本願商標中「お客様第一主義」との文字部分は,顧客(役務の提供先)を大切にし,満足度を高めるとの基本理念や姿勢等を表した語であると理解される。同文字
4部分は,自己を犠牲にしてまで,顧客に尽くすとの印象を与える語であることから,別紙2「『お客様第一主義』の使用事例」のとおり,宣伝,広告等において数多く用いられている。また,本願商標中「の」との文字部分は,前の語句の内容を後続する名詞等に繋げ,後続する名詞等の内容を限定する働きを有する助詞と解される。また,後続する名詞等が省略される場合においては,名詞等の意味を漠然と示唆する代用語として使われることもある。
イそうすると,本願商標は,指定役務に使用する場合,これに接する需要者は,顧客を大切にするとの基本理念や姿勢等を表わした語であり,場合によっては,宣伝・広告的な意図をも含んだ語であると認識するものと認められ,これを超えて,何人かの業務に係る役務表示であると認識することはないと認められ,自他役務識別力を有しない商標と解するのが相当である。なお,本願商標は,商標法3条1項3号に該当すると解する余地もなくはないが,本願商標には「の」の文字部分が含まれ,同文字部分は,普通に用いられる方法で表示する標章とは必ずしもいえないことに照らすと,「お客様第一主義の」からなる本願商標は,同項同号所定の,普通に用いられる方法で表示する標章「のみ」から構成される商標とまではいえない。
ウ以上のとおりであり,本願商標は,「前各号に掲げるもののほか,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することが(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131203095511.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83776&hanreiKbn=07