【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・12・24/平25(行ケ)10106】原告:佐藤食品工業(株)/被告:越後製菓(株)

事案の概要(by Bot):
本件は,特許無効不成立審決の取消訴訟である。争点は,?発明認定の誤り,?明確性要件違反,?実施可能要件違反,?発明未完成,?進歩性の欠如である。

発明の要旨(By Bot):
本件発明の要旨は,本件明細書の特許請求の範囲に記載された下記のとおりである(A〜Fの分説記号は裁判所が付した。)。
【請求項1】A焼き網に載置して焼き上げて食する輪郭形状が方形の小片餅体である切餅のB載置底面又は平坦上面ではなくこの小片餅体の上側表面部の立直側面である側周表面に,この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に長さを有する一若しくは複数の切り込み部又は溝部を設け,Cこの切り込み部又は溝部は,この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に一周連続させて角環状とした若しくは前記立直側面である側周表面の対向二側面に形成した切り込み部又は溝部として,D焼き上げるに際して前記切り込み部又は溝部の上側が下側に対して持ち上がり,最中やサンドウイッチのように上下の焼板状部の間に膨化した中身がサンドされている状態に膨化変形することで膨化による外部への噴き出しを抑制するように構成したEことを特徴とする餅。【請求項2】F焼き網に載置して焼き上げて食する輪郭形状が方形の小片餅体である切餅のG載置底面又は平坦上面ではなくこの小片餅体の上側表面部の立直側面である側周表面に,この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に一周連続させて角環状の切り込み部又は溝部を設けたHことを特徴とする請求項1記載の餅。
3審判で主張された無効理由審判で主張された無効理由は,以下のとおりである。

(1)無効理由1(明確性要件違反)
ア「焼き上げるに際して前記切り込み部又は溝部の上側が下側に対して持ち上がり,最中やサンドウイッチのように上下の焼板状部の間に膨化した中身がサンドされている状態」の不明確性本件明細書の記載によれば,本件発明の「膨化」は,水蒸気により膨らむということを考慮に入れておらず,餅自体が膨張し,中身(糊状の餅)が最中やサンドイッチのように挟まっていることを意味して(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140107090542.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83857&hanreiKbn=07