【下級裁判所事件:下水道使用料納入通知処分取消請求事件(甲事件),下水道使用料納入通知処分取消請求事件(乙事件),過料処分取消請求事件(丙事件)/さいたま地裁4民/平25・9・25/平23(行ウ)46等】

要旨(by裁判所):
A市条例を解釈する際には,下水道法20条の趣旨を考慮することが必要であり,汚水排除量の算定方法を定めた「それ(計測装置)がないとき」(A市条例17条1項2号)とは,計測装置を設置していたとしても,故障等何らかの事情で揚水量の全てを正確に測定できなかった場合も含むと解釈すべきところ,本件では,本管には計測装置があるが,迂回配管に計測装置がなく計測装置により揚水量の全てを正確に計測することができなかったのであるから「それ(計測装置)がないとき」にあたり同条例別表第2に定める基準で算定されるべきである。また,汚水排除量の算定基準の規定の解釈は,下水道使用料の性質にかんがみて,その文言から一義的に導ける範囲に留めるべきであるところ,「浴場汚水」は同条例で「公衆浴場法(昭和23年法律第139号)の規定による浴場から排除される汚水」と明確に定義されているのであるから「公衆浴場汚水」とは特段の限定を加えることなく「温湯,潮湯又は温泉その他を使用して,公衆を入浴させる施設(公衆浴場法1条1項)から排水される汚水」を指すと解するほかなく,本件施設から排水される汚水には「浴場汚水」の算定基準を適用するのが相当である。結論として,A市長による下水道使用料の算定方法を違法とし,また,前記の正しい算定方法により算定した場合に原告らが支払うべき下水道使用料が既払下水道使用料を超えることの証明はないとして,本件各処分の全部を違法として原告らの請求を全部認容した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140214162621.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83948&hanreiKbn=04