判示事項(by裁判所):
健康保険法65条1項に基づく保険薬局の指定申請に対し,当該薬局は保険医療機関からの構造上の独立性を欠き,保険薬局が保険医療機関と一体的な構造とすることを禁止する保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)2条の3第1項1号に違反し,同法70条1項の保険薬局の責務に反したものであるから,同法65条3項6号の「当該申請に係る薬局が,保険薬局として著しく不適当と認められるものであるとき」に該当するとして地方厚生局長がした指定拒否処分の取消請求及び同局長に対する前記指定の義務付け請求が,いずれも認容された事例
要旨(by裁判所):
健康保険法65条1項に基づく保険薬局の指定申請に対し,当該薬局は保険医療機関からの構造上の独立性を欠き,保険薬局が保険医療機関と一体的な構造とすることを禁止する保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)2条の3第1項1号に違反し,同法70条1項の保険薬局の責務に反したものであるから,同法65条3項6号の「当該申請に係る薬局が,保険薬局として著しく不適当と認められるものであるとき」に該当するとして地方厚生局長がした指定拒否処分の取消請求及び同局長に対する前記指定の義務付け請求につき,同規則2条の3第1項1号の規定は,保険薬局の保険医療機関からの独立性をその構造面及び経営面から確保することにより医薬分業を推進し,もって保険薬局が担当する療養の給付に関し健康保険事業の健全な運営を確保しようとするものであり,保険薬局の保険医療機関からの経営上の独立性を確保するためにも,保険薬局の保険医療機関からの構造上の独立性を確保しておく必要性があるとはいえるが,構造上の独立性に関する同号の規定については,医薬分業の目的達成という見地からすると,より間接的な要件といえ,経営上の独立性が十分に確保されている場合には,構造上の独立性に関する規定は緩やかに解するのが相当であるとした上で,前記薬局は,前記薬局を経営しようとする会社とは無関係の法人が経営する医療機関と敷地が同一ではあるものの,前記薬局の出入口は公道に準ずる道路等に面していると評価するのが相当であるから,前記医療機関と一体的な構造にあるということはできず,前記薬局は,前記医療機関との間で経営上の独立性が十分に確保されているから,前記指定拒否処分は,重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものであり,前記地方厚生局長に付与された裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してされた違法なものであるとして,前記各請求をいずれも認容した事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140304104234.pdf
(裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84003&hanreiKbn=05