【下級裁判所事件:赴任旅費請求事件/仙台地裁2民/平26・2 ・12/平25(行ウ)14】

要旨(by裁判所):
被告である千葉市に新規に職員として採用され,採用に伴う移転のために住所のあった仙台市から千葉市に旅行した原告が,この旅行は同市の条例が旅費の支給をすることとしている「赴任」に該当するとして,主位的に,同条例に基づいて旅費支給請求権が発生すると主張して旅費等の支払を求め,予備的に,同条例が規定する旅行命令の発令がなく旅費支給請求権が発生しないとしても,同条例が規定する旅行命令を発すべき義務があるにもかかわらずこれをしなかった被告の行為は国家賠償法1条1項の適用上違法となり,被告には上記行為につき故意又は過失があるとして,同項に基づき,原告の被った旅費相当の損害金等の支払を求める事案において,原告の旅行は同条例が規定する「赴任」に該当するが,旅行命令が発令されていないのであるから同条例に基づく旅費等の主位的請求には理由がないとされ,被告には旅行命令を発令すべき義務があったのにこれをせず,旅費等が支給されないことについて原告の同意があったと認めるに足りる証拠もないとして,被告の不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法であり,この不作為について少なくとも過失があるとして,予備的請求のうち,同条例に基づく着後手当の調整分相当額の損害については理由がないとされ,その余の部分について損害賠償責任があるとされた事例

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140417163050.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84130&hanreiKbn=04