【労働事件:休業補償給付不支給処分取消請求控訴事件/ 京高裁/平25・6・27/平24(行コ)137】分野:労働

事案の概要(by Bot):
1(1)被控訴人(昭和▲年▲月▲日生まれ)は,少なくとも昭和48年2月から昭和53年3月までの約5年2か月間と,昭和55年4月から昭和61年6月までの約6年3か月間の通算約11年5か月間にわたり,本件会社のA(原判決2頁11行目,12行目参照)において石綿取扱業務に従事していたことがあったところ,平成15年10月17日,原発性肺がん(本件疾病。原判決2頁2行目,19行目参照)に罹患していることが判明し,同月28日,右肺上葉切除の手術を受けた。そこで,被控訴人は,石綿(主としてクリソタイル)にばく露する本件会社の業務に従事したことにより本件疾病に罹患したと主張して,処分行政庁(木更津労働基準監督署長)に対して,労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づき,平成15年10月21日から同年11月14日まで長野県B病院に入院したことによる25日間の休業補償給付を請求したところ,処分行政庁は,本件疾病の業務起因性を否定して,平成19年8
月24日付けで不支給の処分をした(以下「本件処分」という。)。本件は,被控訴人が,本件疾病は本件会社における業務に起因するものであるにもかかわらず,業務起因性を否定した本件処分は不当なものであると主張して,控訴人に対し,本件処分の取消しを求めた事案である。
(2)ア肺がんは,石綿に特異的な疾患である中皮腫とは異なり,石綿以外にも喫煙等の発症原因となるものが複数存在するところ,肺がんの発症原因が石綿の場合とそれ以外の場合とを医学的に判別することは困難であることから,肺がんの発症についての業務起因性(業務と肺がんの発症との間の相当因果関係の有無)は,疫学的な因果関係論により,「肺がん発症の相対危険度が2倍以上となる石綿ばく露があったときに,肺がんの発症を石綿に起因するものとみなす」とする見解が合理的であるとされ,そ(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140702165232.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84310&hanreiKbn=06