判示事項(by裁判所):
1一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー業)を営む者が,初乗運賃を500円に変更することなどを内容とする変更認可申請をしたところ,地方運輸局長が,公示した審査基準に基づく査定額は550円であり,これに沿って申請額を変更しない場合は前記申請を却下するとの通知をしたことにつき,当該通知は行政処分に当たらないとされた事例
2一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー業)を営む者がした,運賃の認可申請について,地方運輸局長の公示に示された審査基準を適用されることなく,道路運送法9条の3第2項1号の原則に従い,申請した個別の原価等に基づいて運賃の査定を受けて認可を受けることができる地位を有することの確認を求める訴えが,確認の利益を欠くとされた事例
要旨(by裁判所):1一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー業)を営む者が,初乗運賃を500円に変更することなどを内容とする変更認可申請をしたところ,地方運輸局長が,公示した審査基準に基づく査定額は550円であり,これに沿って申請額を変更しない場合は前記申請を却下するとの通知をしたことから,当該通知の取消しを求めた訴えにつき,地方運輸局長は,所定の計算方法に従う一定幅の運賃額を自動認可運賃として設定し,自動認可運賃に該当しない運賃の申請については,査定額を申請者に通知し,2週間以内に申請額を査定額に変更する申請がない場合は,当該申請を却下する旨を公示しているところ,前記通知は,法令上の根拠に基づくものではなく,地方運輸局長が前記公示に基づき行っているものであって,それによって直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものではなく,行政処分に当たらないとして,前記訴えを却下した事例
2一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー業)を営む者がした,運賃の認可申請について,地方運輸局長の公示に示された審査基準を適用されることなく,道路運送法9条の3第2項1号の原則に従い,申請した個別の原価等に基づいて運賃の査定を受けて認可を受けることができる地位を有することの確認を求める訴えにつき,前記審査基準が適用されたからといって,必ずしも申請が却下されるとは限らないのであるから,権利関係や法律的地位に危険・不安定が現存するとはいえず,そうでないとしても,当初の申請が却下された後,前記審査基準に基づく額をもって申請することにより,これを認可された上で営業を継続しつつ,当該却下処分の取消し等を求める訴えを提起することができることなどからすれば,確認の訴えによることが法的紛争の解決のために有効適切な手段とはいえず,確認の利益が認められないとして,前記訴えを却下した事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/389/084389_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=84389