判示事項(by裁判所):
遺産分割に係る代償債務の不履行を理由として,その成立後にされた遺産分割協議の合意解除が,国税通則法施行令6条1項2号にいう「当該契約の成立後生じたやむを得ない事情」による解除に当たるとはいえないとされた事例
要旨(by裁判所):遺産分割に係る代償債務の不履行を理由として,その成立後にされた遺産分割協議の合意解除は,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,国税通則法施行令6条1項2号にいう「当該契約の成立後生じたやむを得ない事情」による解除に当たるとはいえない。
(1)前記代償債務の内容は,共同相続人の1名が,全遺産を相続する代償として,その一部である特定の不動産の売却時又は相続税の納付時のうちいずれか早い方が到来したときに,他の共同相続人に金銭を一括して支払うというものであった。
(2)前記不動産は,約1万に及ぶ土地とその上に存する500弱の床面積を有する店舗・ゴルフ練習場としての建物であるところ,その後の大幅な地価の下落により,その売却価格は前記遺産分割協議時に想定していた価格の約半値であった。
(3)前記合意解除は,前記遺産分割協議から約16年が経過した後に,前記代償債務の履行が望めないとして,前記遺産分割協議に基づく連帯納付義務を免れるためにされたものであった。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/444/084444_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=84444