【行政事件:損害賠償請求控訴事件(原審・大阪地方裁判 所平成23年(行ウ)第86号)/大阪高裁/平25・2・27/平24(行コ)138 分野:行政

判示事項(by裁判所):
不法行為をした職員に対する地方自治法242条の2第1項4号に基づく損害賠償の請求が信義則に反して許されないとされた事例

要旨(by裁判所):介護給付費財政調整交付金算定のための国への報告に際して第1号被保険者の所得段階別の人数を誤ったことにより,国から市に対して交付される同交付金が本来の金額よりも少額となったとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記報告につき過失のある専決権者及び実務担当者に対して損害賠償を請求することは,当該実務担当者の過失が,上部団体から誤りを誘引するような文書送付を受けるという予想外の立場に置かれた際に,その記載内容を無条件に信じることなく,その不適切部分を発見して,正しい事務処理をなすべき義務を全うできなかったというものであって,一般的な職務怠慢とは様相を異にするものであること,市の前記団体に対する依存度の大きさ,前記交付金算定の事務に取り組む組織上の態勢等の問題点が構造的な背景事情として存在し,当該実務担当者でなくとも前記誤りを犯しかねなかった側面があること,市にはリスクを抱えた職員の処遇,過誤の予防,損失の分担のための配慮や対策がされているとはいえないことなど判示の事情の下では,信義則に反して許されない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/450/084450_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=84450