判示事項(by裁判所):
厚生年金保険法の被保険者であった者が,いわゆる重婚的内縁関係にあった事案について,当該被保険者の戸籍上の配偶者が,遺族厚生年金の支給を受けるべき同法59条1項所定の「配偶者」に当たらないとされた事例
要旨(by裁判所):厚生年金保険法の被保険者であった者が,いわゆる重婚的内縁関係にあった事案について,当該被保険者と戸籍上の配偶者が事実上の離婚状態にあるときは,当該戸籍上の配偶者は遺族厚生年金の支給を受けるべき同法59条1項所定の「配偶者」に当たらないところ,両者が事実上の離婚状態にあるか否かについては,別居の経緯,別居期間,婚姻関係を維持ないし修復するための努力の有無,別居後における経済的依存の状況,別居後における婚姻当事者間の音信及び訪問の状況,重婚的内縁関係の固定性等を総合的に考慮すべきであり,経済的依存関係自体は重要な考慮要素ではあるものの,それを超えて経済的依存関係の有無のみを事実上の離婚状態の認定において絶対的な要件とすべきとまでいうことはできないとした上,両者の間に一定程度の経済的依存関係があったことは認められるが,これを斟酌しても,前記被保険者が死亡した当時,両者は事実上の離婚状態にあったと認められ,前記戸籍上の配偶者は同条項所定の「配偶者」に当たらないとした事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/468/084468_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=84468