【知財(特許権):職務発明対価請求事件/大阪地裁/平26・9 25/平25(ワ)9255】原告:P1/被告:HOYA(株)

事案の概要(by Bot):
本件は,原告が,被告に対し,原告がした職務発明の特許登録及び被告の実施に基づき,被告特許規程に基づく登録報奨金3万6000円及び実績報奨金9996万4000円の合計1億円,並びにこれに対する平成21年10月23日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める事案である。 2前提事実(証拠及び弁論の全趣旨より前提として認められる事実。証拠の
記載のないものは,争いがないか弁論の全趣旨より認められる。)
(1)当事者
ア原告は,平成9年4月,被告の子会社であるHOYAレンズ株式会社に入社し,平成10年4月に被告(ビジョンケアカンパニー)五日市工場製品開発部へ配属されるなどし,平成14年3月に被告を退職した。 イ被告は,光学技術を中心とした半導体関連製品,光学レンズ等を製造する総合光学メーカーである。
(2)原告による職務発明と被告による特許権の取得
ア原告は,平成13年6月ころから上司であるP2からの指示を受け,P3とともに耐衝撃性を向上させた眼鏡用プラスティックレンズの開発に取り組んだ(以下3名を「原告ら」という。)。眼鏡用レンズは,プラスチック基材の表面の傷を防ぐため,表面にハードコート膜と呼ばれる固い膜が成膜されており,その上側に,レンズ表面の反射を抑えるために反射防止膜といわれる無機化合物の膜が成膜されている。反射防止膜は,より多くの光を目の方向に通すため,屈折率の異なる透明な無機化合物を何層も重ねた構造となっている。そのさらに上側には,レンズの汚れを防止するために,撥水性の有機物が塗布されている。原告らは,平成13年9月ころ,反射防止膜を構成する無機化合物中にイオンアシスト法を用いて有機化合物を添加することで,耐衝撃性のみならず,レンズ表面の耐摩耗性が飛躍的に向上することを見出し,実験を重ねて発明を完成させた。 イ原告らが行った前記ア記載の(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/536/084536_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=84536