【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・3・13/平24(行ケ)10175】原告:トムソンライセンシング/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
1 取消事由1(引用発明の認定の誤り,相違点の看過)について
 原告は,審決は引用発明の認定を誤り相違点を看過していると主張するので,以下,本願発明の概要(後記(1)),引用発明の概要(後記(2))を認定した上で,審決の認定について検討し(後記(3)),原告の主張の当否について判断する(後記(4))。
(1) 本願発明の概要
 本願明細書には後記アの記載があり,これによれば,本願発明の概要は,後記イのとおりのものであると認められる(下線は裁判所が付した。以下同じ)。
ア 本願明細書の記載
 「本発明は道路交通情報装置に関する。
公知の道路交通情報装置は大別すると,以下の2つのカテゴリー,すなわち,
・基本的にはドライバーに道路地図情報を提供するためのものであって,このシステムは一般的には自動車に搭載し,そして場合によって気象や,道路網のある区間における工事の存在や,道路網の渋滞に関する質的情報を与えることができるものと,
・そして所定の1道路網内の行程の所要時間に関する情報を与えるためのものとがある。
 本発明は,この後者の種類の道路交通情報装置である。
 このタイプの公知の装置は,現在地とそして道路網の所定の1地点または数地点間の行程の所要時間の推定値を表示する発光性のディスプレーパネルの形態を成している。
 しかし,これらの情報装置は次のような欠点がある。
 すなわち,
・ドライバーがすでに当該の道路網上にいるかまたはそのすぐ近辺に来ているときにしか,こうした装置は利用できず,したがってもしその問題の道路網の交通が困難であると判明しても,ドライバーがその運転を中止したり,または容易にそのルートを変更したりするには,すでに遅すぎるのが通常であって,より一般的には,既存のこうした装置は当該道路網の現利用者の現在時の情報の提供を可能にするようになっているが,ドライバーが前もってその運転を最適化するように計画を立てることを可能にするものではなく,(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130319105432.pdf



<裁判所ウェブサイト>
掲載ページ
<検索>
事件番号・事件名・当事者名をキーワードにしてgoogleで検索する