【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・3・13/平24(行ケ)10263】原告:X/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
 上記によれば,唐辛子は,従来から辛味の香辛料として利用されているが,主に紅熟したものを顆粒状にしたり,すりつぶしたりして他の食品と混ぜて利用されているだけで,紅熟前のまろやかな辛味が利用されず利用法が限られていたこと,引用発明に係る唐辛子の醤油漬は,紅熟前の唐辛子,すなわち青唐辛子を利用するものであり,程良い辛さの唐辛子に醤油の味が溶け込み,各種の料理,特に和食の香辛料として用いると一段と料理を美味にするとの効果を奏するものであることが認められる。
 以上のとおり,引用発明は,主として香辛料として利用されるものと理解することができ,「漬物」と定義することが相当でないとしても,引用刊行物1には,本願発明と同様に食用に供される青唐辛子の醤油漬が開示されているものと認められ,本願発明と引用発明は,審決が認定するとおり,本願発明は非加熱の青唐辛子を生醤油に漬け込むのに対して,引用発明は熱処理をした青唐辛子を醤油に漬け込む点で相違するにすぎないから,審決の引用発明と本願発明との対比に誤りがあるとまではいえない。
 したがって,原告が主張する取消事由1には理由がない。
2 取消事由2(相違点1に係る容易想到性判断の誤り)について
 原告は,引用刊行物1には,非加熱のままの唐辛子に醤油を加えて醤油漬とすることは記載も示唆もされておらず,むしろ,引用発明において殺菌のための熱処理を省略することには阻害要因がある上,本願発明において,非加熱の青唐辛子を生醤油と組み合わせて用いたことにより奏される効果は,当業者の予測を超えた有利な効果であるとして,審決の相違点1に係る容易想到性判断には誤りがあると主張する。
 しかし,原告の上記主張は,以下のとおり採用することができない。
 (1)上記のとおり,引用刊行物1には,唐辛子の醤油漬が開示されているところ,主として香辛料として利用するか,(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130319113736.pdf



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