【知財(特許権):審判請求書却下決定取消請求事件(行政訴 訟)/知財高裁/平27・7・15/平26(行ケ)10262】原告:X/被告:特許 長官

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,原告の取消事由の主張には理由があり,却下決定にはこれを取り消すべき違法があるものと判断する。その理由は,以下のとおりである。
141法131条1項は,審判請求書の必要的記載事項として,審判を請求する者は,当事者及び代理人の氏名等及び住所等(1号),審判事件の表示(2号)並びに請求の趣旨及びその理由(3号)を記載しなければならない旨を定め,同条2項は,「特許無効審判を請求する場合における前項第3号に掲げる請求の理由は,特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し,かつ,立証を要する事実ごとに証拠との関係を記載したものでなければならない。」と定めている。そして,審判長は,請求書が法131条の規定に違反しているときは,請求人に対し,相当の期間を指定して,補正をすべきことを命じなければならず(法133条1項),同期間内に補正がされないとき,又はその補正が法131条の2第1項(要旨変更の禁止)に違反するときは,決定をもってその手続を却下することができるものとされている(法133条3項)。一方,不適法な審判の請求であって,その補正をすることができないものについては,被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで,審決(合議体による判断)をもってこれを却下することができるとされており(法135条),また,請求人の請求に理由があるとは認められないときには,請求不成立の審決がされることになる(法157条)。法131条2項にいう「特許を無効にする根拠となる事実」とは,無効理由を基礎付ける主要事実をいうものと解されるから,同項は,請求人が主張する無効理由を基礎付ける主要事実を具体的に特定し,かつ,そのうち立証を要する事実については,当該事実ごとに証拠との関係を記載することを記載要件とするものと解される。しかし,同記載要件を欠くことを理由とする法133条3(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/213/085213_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85213