判示事項(by裁判所):
国民年金及び厚生年金の被保険者であった者の養子であり,かつ,その者と内縁関係にあった者について,遺族年金を受けることができる遺族である被保険者の妻(配偶者)には該当しないとされた事例
要旨(by裁判所):原告と国民年金及び厚生年金の被保険者であった者との養子縁組は,同人が刑務所に収容されることとなった場合に,原告が養女として面会することを主要な目的としてされたものであり,両者の交際関係を維持するための便宜的又は一時的な側面を有していたことは否めないものの,社会通念上親子であると認められる関係の設定を欲する意思をおよそ欠くものであったとはいえず,有効というべきであるとした上で,養親子間の内縁関係は,養親子間の婚姻を禁止する民法734条に抵触し,一般的に,反倫理性,反公益性が極めて大きい関係というべきであって,判示の事情の下では,養親子間の婚姻を禁止すべき公的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国民年金法及び厚生年金保険法の目的を優先させるべき特段の事情があったともいえないから,原告は,遺族年金を受けることができる遺族(婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者)に該当するとはいえないとした事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/389/085389_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=85389