【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平25・1・28/平24(行ケ)10035】原告:(株)島津製作所/被告:特許庁長官

裁判所の判断(by Bot):
1取消事由1(引用発明の認定の誤り)について
(1)原告は,引用例の質量分析装置は,いずれも時間的な完全収束を満たす反復軌道を採用したものであるから,引用発明について,「反復軌道を形成する電場形成手段が……引用発明は,時間的な非収束性が許容されたものであるか否か明らかでない」(9頁2行〜4行)とした審決認定は誤りであると主張する。
(2)ア審決は,本願発明と引用発明とは,「反復軌道を形成する電場形成手段が,本願発明は,「時間的な非収束性が許容された」ものであるのに対し,引用発明は,
15時間的な非収束性が許容されたものであるか否か明らかでない点」において相違する(相違点1)と認定したものであるから,まず,「反復軌道を形成する電場形成手段が……時間的な非収束性が許容された」との用語の意味について検討する。
イ(ア)本願発明の「電場形成手段」により形成される「反復軌道」が「時間的な非収束性が許容された」ものであることについて,この文言自体は,反復軌道の設計及び製造の方法を特定するものではなく,その形状を特定するものでもない。また,特許請求の範囲【請求項1】の記載は,上記第2の2のとおりであり,配設された補償手段によって補償されることが予定されている旨が示されるにとどまり,反復軌道の設計,製造の方法,形状に係る特定はなされていない。
(イ)この点について,本願明細書の発明の詳細な説明には,次の記載がある。「【0011】本発明において,反復軌道は,上記特許文献1(判決注:特開平11−195398号公報。乙5)に記載のような質量分析装置とは異なり必ずしも時間的収束性を有していなくてもよい。したがって,上記電場形成手段は,複数の扇形電場を二重対称の関係に配置するといった特殊な構成を採る必要はなく,構成上の自由度が高い。その代わりに……イオンが反復軌道を離れる位置(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130201101654.pdf



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