【下級裁判所事件:現住建造物等放火/神戸地裁2刑/平27・6 ・18/平26(わ)1005】

裁判所の判断(by Bot):

アC証言の要旨
捜査段階において,被告人の精神鑑定を行った精神科医のCは,本件犯行当時,被告人は,軽度知的障害とアルコール依存症を有していたが,そのいずれも本件犯行に直接的な影響は与えていないこと,また,被告人は,飲酒や睡眠薬の服用によって酩酊状態にあったが,その程度は単純酩酊にとどまり,それが犯行に与えた影響の程度は軽度であったことなどを証言している。C証人は,精神科医としての経歴や複数の精神鑑定の経験を有する医師であり,その証言内容は,捜査記録のほか,多数回にわたる被告人との面接,臨床心理検査の結果等の適切な判断資料に基づくものであって,その判断根拠に不合理な点はないから,その証言は信用できる。 イ責任能力の有無
上記C証言を前提として,当裁判所で取り調べた証拠も踏まえつつ,犯行当時の被告人の責任能力,特に,飲酒や睡眠薬の服用による酩酊の程度やそれが犯行に与えた影響の程度を検討する。記憶の有無被告人は,犯行時のことについては,ふとんの前でライターを持って火を点け,あわてて左手で擦って火を消したこと以外に記憶がない旨供述するが,犯行前のことについては,缶酎ハイを2缶飲んだこと,食事をしたこと,父親に電話をしたこと,泣いていたことなどの記憶がある旨供述し,犯行後のことについては,飲酒をして睡眠薬を飲んだこと,嘔吐したこと,
6自室内の煙に気が付き,窓から飛び降りたこと,その際の状況やその後近隣住民に助けられた際の状況について記憶している旨供述する。犯行時の記憶がほとんどないという被告人の供述を前提としても,犯行前後の事情に関しては比較的多くの記憶が保持されている。犯行当時の意思疎通力等被害者証言によれば,本件犯行前の午後1時頃,被害者が買い物から帰宅し,自室にいた被告人に声をかけると,被告人が缶酎ハイなどを持って自室に戻っていったこと,被害者の生活(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/574/085574_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=85574